西武・西川愛也「ピッチャーの人生がかかっている」GG賞獲得の26歳が明かす守備論と打撃術「ヒットを打つのはこんなに楽しいのか」覚醒の舞台裏 

　2025年からライオンズの打撃コーチに就任した立花義家コーチが開幕直後、こんなことを話していた。

「秋のキャンプで初めて西川を見たとき、バットを止めて打つような打ち方をしていたのが気になりました。下半身をしっかりねじって、回転させた方がいいとアドバイスしましたね。左バッターはライトポール際に打つぐらいの気持ちで行った方がいいし、その意識があれば西川ならホームラン20本くらいは打てる。本人も全試合出場を目指していると思いますが、フル出場できれば、いずれはシーズン150安打も目指せるくらい高い能力を持った選手ですよ」

バッティングにはまだまだ伸び代がある　©Hideki Sugiyama

「レフトへの打球は“対策”」

ADVERTISEMENT

　西川は今年の自身の打撃について振り返る。

「ライト方向に強い打球を……という意識はバッティング練習のときには持っていますね。試合だと、レフト方向への打球が多くなると思うんですけど、だからこそ練習でしっかり引っ張れるポイントを意識しています。今シーズンは打球速度も昨季より速くなりました」

打撃論を語る西川　©Number Web

　もともとはレフト側への鋭い当たりのヒットが多いイメージがあった。

「追い込まれる前に、いいポイントで引っ張れるケースは引っ張りたいなと思って打席に立っていました。レフトへの打球は、得意というよりは“対策”ですね。追い込まれたあとは最悪、軽打でいいというか……。詰まっても、泳いでも、ポテンヒットでOKぐらいの感覚で今年は打席に立つことが多かったです。レフト方向へのヒットは、ほとんどそういう考え方で打ったヒットです」

　こうして外野のレギュラーポジションをつかみ取った西川だが、悔いも残ると振り返る。その悔いとは――。〈つづく〉