武尊34歳「結婚したから引退？ むしろ逆」壮絶KO後に語った“川口葵さんへの感謝”「この人のおかげで今も闘えている」「病気で苦しんでいた時期も…」 

　その後は右手の親指に痛みを覚えたが、それを我慢して殴り続けたという。

「もう自分の体を壊しても倒すという気持ちでやっているので。今回はすぐ治りそうなので、次の試合は全然大丈夫です」

妻への感謝「ずっと近くで支えてくれたおかげで…」

　試合後、ケージの中でマイクを握った武尊は次戦での引退を表明した。ラストマッチはロッタンとの再戦に決まった。会場や日時はアナウンスされていないが、来年4月29日の開催が決定した次回のONE日本大会が有力だ。

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「今までは『次まで体を持たせないと』みたいな気持ちがあったけど、次のロッタン戦のあとのことは考えなくてもいい。次の試合で全部出し切って、自分の体が壊れてもいい。それくらいの気持ちで過去最高で最強の体を作って、勝って終わりたい」

ラストマッチの相手としてロッタンを指名した武尊　©ONE Championship

　会見場には7月に結婚を発表したタレントの川口葵さんの姿もあった。ツーショットをリクエストされると、夫妻は喜んで応じた。

「結婚したことが引退の理由のひとつ？　いや、むしろ逆だと思っていて、引退が見えたから結婚したというのはあります。以前の僕は『現役中は結婚しない』と言っていた。自分のイメージでは結婚して安心できる場所ができたら、命をかけた闘いができなくなるんじゃないかと思っていたからです」

川口葵さんのサポートによって、心身ともに充実のときを迎えているという　©Koji Fuse

　意識が変わったのは、川口さんの献身的なサポートがあったからだ。

「奥さんが僕を支えてくれたおかげで試合ができている。それでコンディションも作れ、メンタルも（安定している）。それこそ僕が病気で苦しんでいた時期（パニック障害とうつ病）も、ずっと近くで支えてくれたおかげで、僕はいまも現役で闘えている。（結婚を公表したのは）隠しているのもイヤだと思って。この人に支えてもらっているから、僕は勝てているということをみんなに知ってもらいたかった」

　穏やかな表情の理由は、久しぶりの勝利を味わったからだけではなかった。安らげる場所があるからこそ、命をかけて闘えるということを武尊は結婚して初めて知った。安らぎと強さは、相反するものではない。