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「ワルぶってもバレる。嘘がつけないタイプなんだよ(笑)」人気レスラー・上谷沙弥の“カリスマ性”の正体…『鬼レンチャン』『ラヴィット!』反響後の今
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橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byNorihiro Hashimoto
posted2025/11/20 17:00
上谷沙弥が語る『鬼レンチャン』300m走サバイバルで成長した部分とは?
「それが試合でも活きてることに気づいたんだよね。スタミナがついて試合の後半でも疲れなくなったし、相手がどんな攻撃をしてきても受け切れる自信がついた。300m走の終盤はスプリント、ダッシュも大事で、それが試合の瞬発力につながってると思う。だから手数が多くなってるんじゃないかな」
ラントレ、階段ダッシュは番組収録後も続けている。テレビ出演は知名度だけでなく試合のレベルアップにもつながったのだ。それも上谷の本気ゆえのこと。
「正直言うと、今はほとんど休みがない」
知名度はさらなる“需要”につながって、一般の雑誌などさまざまなメディアに登場。「正直言うと、今はほとんど休みがない」そうだ。心身両面での疲労は想像に難くない。今年春の時点で「とにかく今は突っ走るしかない」と言っていたが、冬を迎えた今も全力疾走は続いている。
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そんな上谷を支えるものは何か。
「中野たむ、だね」
アイドル志望で、スターダム発のアイドルグループに入った上谷をプロレスに誘った“師匠”がたむだった。赤いベルトを獲得した時の相手もたむ。師匠はライバルとなった。今年4月には横浜アリーナで「敗者引退マッチ」を闘い、敗れたたむはその場で引退している。
「自分の中で一番大きい変化は、敗者引退マッチで中野たむのプロレス人生を奪ったということ。それは中野たむが私にプロレス人生を託してくれたということでもあると思っていて。だから中野たむが叶えきれなかったことも実現していくのが私の責任だと思う」
それほど、中野たむの存在は大きなものなのだ。
「プロレスでもプロレス以外でも、いつも中野たむがそばにいて背中を押してくれている。そういう感覚が本当に強くて。どんなことをしていても、自分の中に中野たむが宿ってるのを感じる」
上谷の本音「無理にワルぶってもバレる」
それに、と上谷は付け加える。
「私は自分のためより人のためと考えるほうが頑張れるタイプだから。中野たむのため、ファンのためと思えばどこまででも行けるなって」
渡辺桃戦では、腕をグルグルと回してからのエルボーを出していた。たむが得意にしていた動きだ。
「私としては無意識だったんだけど、中野たむが自然に乗り移ってたのかもね」


