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ダルビッシュ有「復帰は2027年シーズン」でも右肘手術決断の裏側…パドレスGM「彼はこの組織に重要な存在」チーム同行のリハビリで果たす役割
text by

山田結軌Yuki Yamada
photograph byGetty Images
posted2025/11/08 11:04
右肘にメスを入れることを明かしたダルビッシュ。2026年シーズンは全休となる
10月14日にパドレスのA・J・プレラーGMがオンラインで会見した。辞任したマイク・シルト監督の後任についてが主なトピックだったが、ベテラン右腕についても言及していた。
「今後、数週間をかけて彼と話し合い、これからについて見極めていく。彼はこの組織にとって重要な存在だ」
右肘は手術するのか、保存療法で復帰できるのか。ドクターを含めて、そんな話し合いがあったのかもしれない。2023年8月には、骨棘(いわゆるネズミ)や骨のストレス反応など右肘の不調を発症。9月の1カ月間は試合で投げずに終わった。今回、靱帯の修復手術を受けなければいけなくなった遠因がどこにあるのかは不明だが、少なくともこの3シーズンは右肘の状態が万全にならなかったということだ。
「壊れてもいいという気持ちで」秘めた覚悟
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だからこそ今シーズン、ポストシーズンに臨む前のダルビッシュの言葉には、その覚悟があったのかもしれない。
「別にもう逃げも隠れもできませんから、ちゃんと自分の実力を1球目から、壊れてもいいという気持ちで投げたいと思います」
実際には、すでに壊れていた。2年前には、次に右肘に大きな手術を受けるときは“引退”も辞さない考えだった。23年の8月31日、負傷した右肘の状態を説明するメディア対応では以下のような言葉を残している。
「別に手術(が必要)っていわれたら、また2年ぐらい投げないわけでしょ? それだったら、もう(現役を)やめりゃいいだけの話だから、それは。迷惑をかけたくない」
年月が経過し、今はどんな心境かは分からない。ただ、ダルビッシュが来季40歳を迎えるタイミングで手術を決断したことは、復活を目指すモチベーションがあるという証左だ。


