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プロ野球PRESSBACK NUMBER
阪神前監督・岡田彰布がズバリ「こういう試合に負けたらアカンのよ」“石井大智が打たれた”日本シリーズに持論「バッテリーに問題があったのではなく…」
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内匠宏幸Hiroyuki Takumi
photograph byNanae Suzuki
posted2025/11/05 17:09
日本シリーズ第5戦。ソフトバンクの柳田悠岐に同点2ランを被弾し、天を仰ぐ阪神の石井大智
「それが今シーズン、坂本は考え方を覆した。困った時の内角ストレートをタイミングよく使った。これが投手陣を支えることになったんよ」。岡田はこう評価していたが、今シリーズで、その場面を見ることは少なくなっていた。
「打った柳田、野村を褒めるしかないわ」
話を戻そう。走者を出し、打席に柳田悠岐を迎えた場面。勝負球は内角ではなく外角。悪い球ではなかった。いや、素晴らしい球だったが、柳田は見事な反応で逆方向に打ち返した。レフトスタンドに突き刺さる強烈な同点ホームランになった。
さらに続きはあった。延長に入り、マウンドに村上を送った。当然といえば当然の策だ。するとソフトバンク野村勇に外角のストレートをまたしても反対方向のスタンドに打ち込まれた。
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「やっぱりああいう攻めになるわな。こんな大舞台でな、なかなかインコースにはいけんわ。バッテリーに問題があったのではなく、打った柳田、野村を褒めるしかないわ」。岡田はそう認めるのだった。
1年の総決算を果たして悔いることなく終われたのか。藤川球児は「相手が上だった。悔いはない」といった趣旨のコメントを残しているが、やはりデュプランティエに託した第2戦が転機になった。「日本一に届かなかったことも私の責任ですから」と言葉を締めた監督。「責任」の中身はやはり、2戦目の起用法を表しているのだろうか。
一方で、前監督の岡田は第5戦での逆転負けに対して厳しい言葉を残している。
「この1年、投げ続けて、負けなかった石井が打たれ、先発でがんばってきた村上でやられることは絶対に避けないと。こういう試合だからこそ、2人が傷つかないように負けたらアカンのよ」
届かなかった頂点。レギュラーシーズンで絶対的な強さを見せたからこそ、阪神にとって悔やまれる結果となった。
<前編とあわせてお読みください>


