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藤川球児監督は「落合博満の再来」なのか? 阪神と中日“じつは酷似している”2人のコメント「明日からの練習は?」の質問に…「明日になれば分かる」
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岡野誠Makoto Okano
photograph byKiichi Matsumoto
posted2025/11/06 06:00
阪神を率いる藤川球児監督、45歳
「四月二日の先発が聞きたいんだろう? このままだよ――」(『嫌われた監督』/鈴木忠平/文藝春秋)
その日、左腕の野口茂樹が先発していたため、報道陣は野口だと解釈した。しかし、開幕のマウンドには3年間登板なしの川崎憲次郎が上がった。右肩痛に泣いた元エースはキャンプ、オープン戦と10日おきに実戦登板していた。落合の言う「このまま」だと、次は開幕戦の4月2日という計算になる。指揮官の発言は、決して嘘ではなかった。
だが、系列紙の中日スポーツは開幕2戦目で投げた野口について書く際、次のような記述をしている。
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〈3月下旬に落合監督が突如口にした「開幕投手・野口」発言。以降、報道陣を前に核心に触れないコメントを強いられた〉(04年4月4日付)
落合は「開幕投手・野口」とは言っていない。周囲がそう解釈しただけである。
2人には”ある違い”も…
だが、人を喰ったような言動だと反感を持たれてしまい、その後もマスコミにリップサービスをしない落合は一部から不評の声が挙がっていた。同年、中日は5年ぶりの優勝を果たしたものの、観客動員は微減。10年から連覇した時も減少した。要因は多岐に渡るはずだが、矛先は落合に向いた。
虎の指揮官も、オレ流監督と同じような談話を残している。記者の中には快く思わない人もいるかもしれないが、甲子園球場は常に満員である。なぜ、藤川球児は好感度を保てているのか。
〈つづく〉

