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「“まさかの”デュプランティエで7失点炎上」阪神・藤川球児監督の誤算…ソフトバンクコーチが明かす「正直、予測していた」「直球狙い、カーブは空振りOKの作戦」
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佐藤春佳Haruka Sato
photograph byHideki Sugiyama
posted2025/10/27 17:01
日本シリーズ第2戦。阪神先発のデュプランティエは約2カ月半ぶりのマウンド。1回2/3を7失点と炎上した
“先発隠し”は、以前の日本シリーズならばよく見かけた光景だが、予告先発が制度化された2024年以降はあまり意味のないやり方だ。才木に故障などのアクシデントがあった可能性はあるが、それにしても故障明けのデュプランティエ投入は相手の意表をついた賭けだろう。
打撃コーチ「とにかく直球狙い。カーブは空振りOK」
では、実際受けて立ったソフトバンク側は「先発・デュプランティエ」をどう捉えていたのだろう。村上隆行・打撃コーチは「誰が来てもおかしくないので。デュプランティエも来るかなというのは、こちらは予測していました」と明かす。
「(才木と)どっちが来るんだろう、というくらいの感じでした。先発メンバーの中にいるので、順番は向こうが考えることで、うちは誰が来てもいい準備をしておかなければいけないですからね」
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ましてソフトバンクは12球団イチの情報分析力を誇るチームである。すでにデータは分析済みで、打者には試合前デュプランティエ対策として「とにかく直球狙い。武器にしているカーブは空振りOK」の指示が徹底されていたという。村上コーチが振り返る。
「とにかく真っ直ぐを打たないことには始まらないということ、カーブは空振りOKということで、うまいこと選手が割り切れたのかもしれません。こちらが指示したというより、選手たちがこう打っていけばいいというのをそれぞれ示していって、打線がうまく繋がったと思います」
確かにその言葉通り、初回の上位打線はデュプランティエの武器であるカーブをうまく拾って単打にしながら見極め方を編み出していき、山川のタイムリー以降は軒並みストレート系を強振して長打を放っている。
ソフトバンクの“秘密兵器”
もう一つ、ソフトバンクには“秘密兵器”があった。1回に同点タイムリーを放った栗原が明かす。


