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野ボール横丁BACK NUMBER
藤浪晋太郎が告白「阪神時代、ストレスで自律神経失調症のようになった」阪神5年目の異変“ストライクが入らなくなる”苦悩「歯がボロボロと崩れる夢を…」
text by

中村計Kei Nakamura
photograph byNumberWeb
posted2025/10/23 11:07
今年2月末、キャンプ地のアリゾナで取材に応じた藤浪晋太郎(当時マリナーズ)
「アメリカでも敵地に行くとブーイングとか起こるんですけど、アメリカ人の場合はそれも一つのパフォーマンスというか、一種のノリでやっているところがある。けど、阪神ファンのため息って、本当のため息なんですよ。なので、甲子園は特に投げにくかったかもしれないですね。甲子園に行くの、嫌やなとか思ってました」
藤浪の異変…5年目から別人に
藤浪はルーキーイヤーの2013年に、いきなり10勝を挙げている。そして2年目は11勝、3年目は14勝と、年数を重ねるごとに勝ち星を伸ばしていった。ところが、4年目の2016年は7勝と二ケタに手が届かなかった。その年のオフには初めて減俸も味わう。
成績が永遠に上がり続ける野球人生などあり得ない。うまくいかない年もある。4年目までの成績なら、そう言えた。山あり谷ありだ、と。
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ところが5年目以降の藤浪は、それまでの藤浪とはもはや別人と言ってもよかった。5年目は3勝、6年目は5勝にとどまる。監督が矢野燿大に代わった7年目、2019年も藤浪は依然として本来の自分を取り戻せずにいた。
3月12日、ナゴヤドームで中日とのオープン戦に登板し、4回をノーヒットで乗り切る。しかし、4四死球を与え、牽制悪送球や暴投もあった。「抑えた」という感触がまったくなかった。
「監督とコーチにどうやみたいな感じで聞かれて、一軍ではちょっとやれないと思いますって答えたんです。ただのラッキーで4回ノーヒットだっただけなので。到底、よくなるとは思えなかった。そうしたら、ちょっと下で時間を取るかみたいな感じになって」
「自律神経失調症のようになって…」
主役は、自ら舞台の降板を申し出た。
その年、藤浪は初めて開幕を二軍で迎えた。結局、一軍で投げたのはわずか1試合だった。当然のように0勝に終わる。藤浪の野球人生の底だった。
今にして思うと、精神に異常をきたしていたという。
「自律神経失調症のようになって、寝られないというか、もう寝付きが悪いというレベルではなかったですね。首筋から背中のあたり、背骨のところが焼けるように熱くなったりして。強烈な張りと言えばいいんですかね。よくアニメとかで悪夢にうなされて取り乱したりするシーンがあるじゃないですか。夜中、『わっ!』って叫びながら起きたりだとか。あんなことがほんとにあって。あと、ストレスが溜まっているとき、人間って歯が抜ける夢を見るそうなんです。それは何回もありました。口の中で歯がボロボロと崩れるんです」

