「佐々木朗希がいなければ敗退していた」“古巣”ドジャースの苦闘を解説者はどう見た？「あの3イニングはそれくらい大きい」ロバーツ監督の采配にも本音

「やっぱり佐々木朗希…体のコアが強くなった」

――山下さんの“古巣”でもあるドジャースが今年もリーグチャンピオンシップシリーズまで勝ち上がりました。日本人選手3人の活躍も含めて、ここまでのドジャースの戦いをどう見ていますか。

山下大輔（以下、山下）　やっぱりポストシーズンは佐々木朗希でしょう。いま、一番目立っている選手だよね。ドジャースタジアムで「ロウキ」コールが起こるくらいですから。表情もボールも、前より生き生きしているように見えます。

――シーズンの最初にお話を伺ったとき、山下さんは「佐々木朗希が先発ローテーションを守るのは難しいのではないか」と語っていました。結果的にその予言は的中したわけですが、そもそもなぜ「先発ローテは難しい」と感じたのでしょうか。

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山下　私はピッチャー出身じゃないけれども、どこかで故障とかそういった問題が起きそうな予感はありましたね。速い球を投げて抑えようとしすぎているというか。バランスを崩して上体だけで投げているようにも見えたし、それで肩とかにも負担がきたんだろうし。でも、それで一から出直したのがよかった。ドジャースのトレーニングに加えて、本人の努力も相当あったと思います。足腰だとか、体幹だとか、そういったものをじっくりと時間をかけて鍛えてきたんでしょう。体のコアの部分、体力的にも強くなった印象を受けます。

春先に比べてたくましさが増した佐々木朗希　©Getty Images

――なるほど。

山下　単なるリハビリというだけじゃなくて、マイナーでの調整も含めて佐々木個人のミニキャンプをもう一回、アメリカでやったようなイメージですね。もともと潜在的な能力はすごく高いものを持っているのは疑いようがない。でも、素質だけでやってきたようなところがあって、体の芯の強さというのはできていなかった。そこを強化できた。土台がしっかりしたことで、木が伸びて、幹が太くなってきたんじゃないですか。

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