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マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
「167cmの東大エース」にプロ指名はある? ドラフト直前、スカウトが語るホンネ「通用するかはわかりませんけど…」父はあの“レジェンド”サブマリン
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安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byShigeki Yamamoto
posted2025/10/07 11:00
大学ジャパンの選抜合宿にも選ばれた東大4年の渡辺向輝。父は元ロッテや日本代表で活躍した俊介さん
「ああ、そうらしいですねぇ……俊介の息子さんが東大で投げてるっていうのは聞いてます、アンダーハンドなんでしょ」
あと数年で米寿のお祝いとは思えないほど、「現役」の力感のある話しぶりだ。
東京大学投手・渡辺向輝・167cm63kg・右投右打。
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赤門の投手陣の右の柱として奮投するアンダーハンドであり、元ロッテ・渡辺俊介投手のご子息である。父上の俊介投手は、言わずと知れたプロ野球を代表するアンダーハンドとして255試合に登板、87勝を挙げている。
「えーっ! そんなに小さいんですか!」
驚いた鈴木スカウト、しばらく絶句が続いた。
177cm、70kg……現役当時のお父さん、俊介投手のシュッとしたマウンド姿を、鈴木スカウトは息子さんにも想像したのだろう。
父譲りの「東大サブマリン」…プロで通用する?
体は小さくても、父親譲りの地面スレスレでのリリースから、果敢に腕を振って両サイドを突く。渡辺向輝投手は、最速120キロ台だって、真っ向勝負だ!
「プロに挑戦するって、東大でしょ? なんのために、東大行ったんですかね」
鈴木スカウト、笑いながらも本気で不思議がっている。
「通用するかどうかは正直、わかりませんけど……」
それでも、アンダーハンドがプロで飯を食っていける「条件のようなもの」を、いくつか挙げてくださった。
<次回へつづく>

