“昨季はJ3福島でプレー”大関友翔20歳「なぜ急成長して日本代表に？」鬼木達の金言も…苦しい環境で「リアルに感じた」サッカー選手としての“本質” 

　スタジアムの観客も決して多くはない。それでも必死になって応援してくれるサポーターや、ともに戦う仲間がそこにいる以上、自分の持てる全てを表現しようと思った。

「観客が入らない中でも、みんな全力でプレーしていました。J3なので、苦しい中でサッカーをしてる人もいました。試合に出られない選手の境遇もわかる。その中で点を取りたい、チームを勝たせたいという思いが強くあれば、ゴール前に走っていくことなんて別に苦じゃなかったです」

　そうした経験を重ねて、気づいたことがある。

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　それはプロとして結果を背負うことの責任だ。プロになる前や出場機会のなかった1年目にはなかった視点だった。

「どちらかと、ユースの時は楽しくサッカーをしてプロになりたいって思ってました。でもプロになってからは、ファンやサポーターがお金を払って応援してくれる。当然、責任が生まれる。恩返しをしたい気持ちは常に持ってましたが、福島に行ってそれをより一層、リアルに感じたんです。サポーターはまだ多くはなかったですけど、いつも全力で応援してくれて、ゴールを決めると喜んでもらえる。その人たちの笑顔を見たいと思ったし、そこで結果を求めるのは試合に出てる人の宿命。そこに気づけたのは、すごく大きかったと思います」

「もっとギラつかなきゃ」J1レベルでの課題

　新時代の司令塔は、復帰した川崎で研鑽を積む日々を続けている。当然ながら、J3よりもレベルが上がるため、それだけ課題も多くある。

「ゴールが見えたらシュートを打つ選択は増えました。ただ今年はJ1で、シュートブロックなどのレベルも高い。シゲさん（長谷部茂利監督）からは『シュートモーションからパスをしたら、もっと相手を引き出せて騙せる。そこから次にシュートをしたら、もっといいコースになる』と言われています。去年もエゴは出してましたけど、エゴを見せることによって“逆を取れる感覚”も今年は感じられているので、さらに成長できると思ってます」

　まだまだ足りない。自分に言い聞かせるように、信念を凝縮した言葉を紡いだ。

「もっとギラつかなきゃいけない。途中出場で出ている自分に満足してるわけじゃないですけど、もっと成長に貪欲にならないといけない。サッカー選手である以上、スタメンで出なきゃいけないと思います」

　さらなる成長のために。何かを変えないといけないという思いが、再び芽生え始めていた。

＜続く＞

#3に続く

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#3

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