バレーボールPRESSBACK NUMBER
男子バレー“完敗”なぜ?「藍でも取れなかった」石川祐希、山本智大も現地記者に本音ポロリ…難敵トルコが徹底した“強豪ニッポンの倒し方”
text by

田中夕子Yuko Tanaka
photograph byYUTAKA/AFLO SPORT
posted2025/09/14 11:05
バレーボール世界選手権で黒星スタートとなった男子日本代表。試合後、キャプテン石川祐希は仲間たちに言葉をかけて労った
3年後に控えるロサンゼルス五輪に向けて発足した新体制1年目。選考や戦術など、さまざまなことに試行錯誤を重ねて臨んだVNLでは6位に終わっただけに、今回の世界選手権は51年ぶりの表彰台に上がって自信をつけたい大会でもあった。
しかし、いきなり出鼻をくじかれた。まだスタートしたばかりの時期、と長い目で見る人も多くいる一方で、世界ランキング5位の日本を大きく下回る16位のトルコに敗れた。ランキングは一つの指標とはいえ、期待が大きかった分、その代償は大きく見える。しかも、ストレート負けとなれば、不安の声も挙がるのは当然のこと。
敗因は何か――。
ADVERTISEMENT
まず、この日のトルコはサーブが見事だった。特にアウトサイドヒッターのエフェ・マンディラチには5本のサービスエースを献上した。先発した日本代表リベロ・山本智大も「(事前の)映像で見るよりもすごかった」と舌を巻く。
「速さもですけど、低いトスからフローター気味に打ってくるので回転がかかっていなくて取りづらい。4枚(サーブレシーブを)入れても対応できなかったし、藍でも取れなかった。(昨季SVリーグMVPを獲得したオランダ代表)ニミル(・アブデルアジズ)のサーブもすごいですけど、同じぐらいすごい印象でした」
山本も藍も翻弄された強烈サーブ
正面にきたボールを返球しきれず、弾き飛ばされた。サーブレシーブに定評のある高橋も悔しさを滲ませる。
「思った以上にいいサーブで、かなり強烈でした。あの低いトスからあれだけのサーブを打ってくる選手と対峙するのは初めての感覚で、取りづらさもあった。感覚は悪くなかったですけど、対応しきれなかったというのはかなりありました。他の選手もサーブはよかったですけど、とにかく9番(マンディラチ)のサーブに対して、自分だけは(サービスエースを献上せずに)ノーエースでいたかった。山本選手と一緒に耐えたかったので、そこは素直に悔しいです」



