「全国大会の表彰台とスタンフォード大合格」が目標の選手も!?…競泳リレーでインターハイ出場《東大合格150人》開成水泳部に見る「主体性」

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別府響Hibiki Beppu

photograph byTadashi Hosoda

posted2025/09/11 11:05

史上初となるメドレーリレーでのインターハイ出場を決めた開成高のスイマーたち。なぜか彼らは制約も多いはずの超進学校で実力を伸ばせたのだろうか？

　そんな高本よりも高校生らしい表現で「文武両道」のメリットを語ってくれたのは、平泳ぎを担当した1年生の中出だ。

「高本の話の後だと言いにくいんですけど（笑）、僕も水泳が勉強へのプラスになる部分もあると思っています。例えばこの前、東大の水泳部の練習に参加させてもらったんですけど、すごく雰囲気が良くて。『ああ、このチームで泳いでみたいな』と思えて、それが勉強のモチベーションにも繋がりました。

　もちろんこれは一例ですけど、その逆に勉強していて水泳のやる気が上がることもあります。そういうことが時折あるからこそ、どちらも突き詰めてやれているのかなと思います」

　中出は現在、文系での東大進学を目指しているそうだ。

　2年生ながらすでにこの夏で競技を引退したバタフライ泳者の岡本悠は、少し違った角度から答えてくれた。岡本は高本や中出とは異なり、「文」と「武」の期間を区切って打ち込むイメージだったという。

「正直、中学の時はほとんど競泳一本に力を入れていた感じでした。やっぱり泳ぐのが楽しくて、土曜日の授業とかも大会があれば休んでいたくらいで。高校に入って少し勉強の比重が増えましたけど、それでも今年の夏までは水泳に全力投球していました。

　でもそれは『今年の夏まで』という縛りがあったからこそ、楽しく全力を傾けられた。もしそういう期限がなければここまで毎日頑張って、タイムを伸ばすことはできなかったと思います。だから、逆にこれからは勉強や趣味に全力投球しようと思っています。やりきった感はあるので、水泳に心残りは全然、ないですね」

　岡本は趣味のゲームでも世界大会に出場するなど、いわゆるステレオタイプな「文武」の分野以外でも多彩なセンスを発揮している。今後は法学の道を目指して東大の文科を受験予定だそうだ。

　自由形の選手で、チームのエースでもある2年生の滝沢知哉はこう答える。

「開成という学校には数学や物理学の分野で世界大会で入賞する人がいたり、英語力を活かして海外の大学に学びに行くような人もいます。すでに世界を舞台に活躍している人がいるんですよね」

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