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白鵬が語った「負けは死だと思っている」危険なダメ押し、肘打ち…“誰もが惹かれる好人物”なぜ土俵で豹変?「部屋閉鎖処分は本当に“重すぎた”のか」 

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荒井太郎

荒井太郎Taro Arai

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2025/07/10 17:02

白鵬が語った「負けは死だと思っている」危険なダメ押し、肘打ち…“誰もが惹かれる好人物”なぜ土俵で豹変?「部屋閉鎖処分は本当に“重すぎた”のか」<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

荒々しい取り口がたびたび問題視された白鵬。その是非をめぐって大きな“分断”が生まれた

問題の核心「宮城野部屋閉鎖」の処分は重すぎたのか

 白鵬さんの退職の遠因ともなった宮城野部屋閉鎖が決定したときも、大きな“分断”を生んだ。師匠の不祥事により部屋が一時消滅した木瀬部屋のケースを引き合いに、親方自身が不祥事を起こしたわけではないのに処分が重すぎるというものだ。

 しかし、これも弟子の問題行動の報告が遅れたうえに、第三者を介して力士たちに口止め工作を図るなど、悪質な隠ぺい工作が聞き取り調査により確認できたからだ。相撲協会のガバナンスが極めて正常に働いたケースとも言え、不公平感を訴える擁護派にはおそらく情報不足もあったのではないか。現役を引退し、年寄名跡を襲名する際に交わした誓約書の内容に、大きく逸脱した行為であることは明白だった。

「世界相撲グランドスラム」は、アマチュア相撲に軸足を置いて活動していくという。会見では「アマチュア相撲の裾野を世界に広げていくことで、大相撲の新弟子を広げていくことに貢献できるのではないか」と今後のビジョンも語られた。白鵬さんの標榜する「SUMO」は、五穀豊穣を願う神事から派生した日本の大相撲とは明らかに一線を画す。常に世論を二分してきた白鵬さんだが、新たな世界では“古巣”である大相撲との共存を目指していく。

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