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大相撲PRESSBACK NUMBER
“最強の横綱”白鵬の功罪を検証する「異次元の記録、社会貢献にも尽力」衝撃の退職は“避けられなかった”のか?「旧態依然の相撲協会」批判の声も
text by

荒井太郎Taro Arai
photograph byJIJI PRESS
posted2025/07/10 17:01

6月9日の会見で日本相撲協会を退職することを発表した白鵬。不満を述べることなく、静かに協会を去った
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数字の上で“白鵬超え”を遂げる大力士が今後、出現する光景は到底、想像できない。これだけの大記録を残すには突出した強さだけでなく、長きに渡って第一人者として頂点に君臨し続けなくてはならない。横綱在位84場所は2位の北の湖を21場所も引き離し、在位年数14年4カ月も史上1位である。
土俵外での社会貢献も「多くの力士が白鵬杯に出場」
土俵外でも「社会貢献」に大きな力を注ぎ、前述した白鵬杯もその一つ。廻しを締める子供たちにとって、予選を経ることなく誰もが憧れの国技館で相撲が取れる意義は大きい。一生の思い出にもなるだろう。今や多くの力士たちがこの大会の出場経験を持ち、新横綱大の里もその一人。相撲普及という点で白鵬杯が果たした役割は大きい。
尊敬する昭和の大横綱大鵬が現役時代から取り組んできた、日本赤十字社への血液運搬車寄贈を同氏の死去後、その遺志を引き継ぐ形で白鵬さんが行ってきた。また、自身の呼びかけにより力士会は東日本大震災からの復興を継続的に支援し、東北地方に3つの土俵を寄贈した。
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しかし、土俵内外でこれだけの輝かしい功績を残しても、自身が引き起こした数々の問題ある言動により、その輝きを曇らせてしまった。ダメ押し、肘打ち、そして舌禍事件……。素顔は穏やかな好人物でもあった大横綱が、目に余る狼藉を繰り返していった核心を掘り下げていく。
<続く>

