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元横綱稀勢の里 二所ノ関親方が徹底解説
第31回:雅山「重さを伝えるのも技術」
posted2025/07/14 09:00
text by

二所ノ関寛Hiroshi Nishonoseki
photograph by
Takayuki Ino(Illustariton)
二子山親方の元大関・雅山関といえば、とにかく巨漢。私との初対戦は2006年の五月場所、雅山関が関脇、私はまだ前頭筆頭の時でした。とにかく重かったですね。雅山関の突き押しも重たいし、私が押そうとしてもなかなか動かない。攻防のある激しい相撲になったのですが、最終的には四つになって、寄り切られてしまいました。3度目の対戦となった九月場所では、立ち合いから頭をバチン! と叩かれ、脳震盪だったのか、私はそのまま土俵に倒れてしまって、すぐには起き上がれないほどの衝撃を受けました。
当時、雅山関の体重は180kgを超えていたでしょう。現代の相撲であれば、この重さがあれば四つからの押し相撲に徹するかもしれません。ところが雅山関には重さだけではなく、運動能力の高さも備わっていました。立ち合いからの細かい突っ張り、攻防最中の回り込みの速さ、そして叩きも高速で、いきなり目の前から消えてしまう感じさえありました。
こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
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