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監督から「マサは健康なら素晴らしい打者」の声も…レッドソックス・吉田正尚の現地“ホントの評価” ライバル選手の「電撃トレード」で何が変わる?
text by

一野洋Hiroshi Ichino
photograph byJIJI PRESS
posted2025/07/02 11:02
日本時間の7月2日から3Aの実戦に復帰したレッドソックスの吉田正尚。早期のメジャー昇格とDHでの起用はあるのだろうか?
今回のデバースの放出を受けて、前出の『スポーツ・イラストレーテッド』では「吉田は“もうひとりの高額DH”として、今こそ価値を証明すべき時」と強調。「失敗契約の選手として定着してしまう前に、実績で見返す必要がある」と指摘していた。
また、指名打者を「複数で運用する」というチーム方針に触れ、「吉田が今後もレギュラーとして使われるかどうかは、復帰後の打撃成績に大きく左右される」とも。「肩の状態、長打力、四球が選べる打撃スタイルかどうかが、今後の評価を大きく分けるポイントになる」と分析している。
コーラ監督は、「ロースター全体を最大限に活用する」と明言しており、吉田の起用もあくまで“複数ある選択肢のひとつ”という立場にあることが窺える。一方で、言葉通りであれば、これまでのような「戦力外目前」の状況からは脱したとも言える。少なくとも起用の可能性が高まっているのは間違いない。
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果たして吉田はチームに「過去の契約の名残」として見なされているのか、それとも「復活を期待される主力」なのか──まさにいま、評価はその分かれ目にある。
不遇は脱したが…「席がある」ワケではない
確かにデバース放出という予想外の出来事は、不遇をかこっていた吉田にとって“道が開けた”ようにも見える。だがそれはあくまでも「開かれた道」であって「与えられた席」ではない。
肩の状態を確実に仕上げ、バットで結果を出すこと。
与えられた数少ない打席で出塁率や長打力を見せつけ、起用を続けさせるだけの「納得材料」を残せるか。チームの未来図に入り込むには、「打てば使われる、打てなければ消える」というシンプルかつ苛烈なルールを勝ち抜く必要がある。
「戦力外目前」とまで言われた男に突然訪れた、再浮上のきっかけ。ここからが、本当のサバイバルの始まりなのかもしれない。

