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獅子の遺伝子BACK NUMBER
昨季“0勝11敗”を「乗り越えてはいないけれど、多くを学んだ」西武・高橋光成が597日ぶり勝利までに変えたこと「ブルペンではあえて遅く投げる」
text by

市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byJIJI PRESS
posted2025/06/14 11:03
昨季、2シーズンにまたがって13連敗を喫し、チーム記録を更新してしまった高橋だが今季は徐々に復活。安定した投球を見せている
昨シーズン、成績が残せなかった原因を体重増と結びつけられることが多かったが「昨年はうまく体を使えていなかっただけ」と本人は分析している。
自身の長所とはどこなのか?
そして自身の長所はどこか、改めて考え直したと振り返る。
「自分の長所を最大限、生かすためにどうしたらいいかと考えました。これはまだ結論が出ていなくて、考えている途中なのですが、現時点ではいろいろな球種でカウントが取れるところや、ストレートの強さではないか、と。そういった点を生かしてどんどんゾーンに投げ込めるところは僕の持ち味だと思っています」
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長いイニングを投げ、ゲームを作ることができる部分に再度フォーカスしたという。
「ライオンズだけでもすごく多様なピッチャーがいる。その中でも、自分にしかできないことって絶対あると思うんですよね。それをマウンドで表現していくことが大事だと思いましたね」
高橋の理想の投手とは
では高橋の理想とする投手像とはいったいどんなものなのか。
「速い球を投げて、三振を取りまくって……というのが理想ではありますけど。でも、今は年間を通して安定したピッチングができるピッチャーが理想です。
1シーズンの中にはいろいろなことがある。調子が悪い日もあれば、雨が降っている球場で投げる日もある。暑い季節のゲームもありますよね? そういう状況によって、カメレオンみたいに自分を変化させることができる投手になりたいです。何者にでもなれるような……」
球場の環境だけではなく、自身のコンディションも毎試合、全く同じというわけにはいかない。そんななかで、チームを勝たせるピッチングができれば、おのずと個人の勝ち星もついてくる。
「まだ乗り越えてはいない」と語った高橋だが、自身のピッチングに手応えを感じていることは、会話中の明るい表情が物語っている。

