酒の肴に野球の記録BACK NUMBER

巨人・田中瑛斗は同期の日本ハム清宮斬りを宣言…20回目の節目を迎える「日本生命セ・パ交流戦」今年のニュースター候補も大胆予想

posted2025/06/09 17:00

 
巨人・田中瑛斗は同期の日本ハム清宮斬りを宣言…20回目の節目を迎える「日本生命セ・パ交流戦」今年のニュースター候補も大胆予想<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

現役ドラフトで日本ハムから巨人に移籍した田中瑛斗

text by

広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

PROFILE

photograph by

Yuki Suenaga

 6月2日、都内のホテルで「日本生命セ・パ交流戦」の記者会見が開かれた。2005年に始まったが今年で20回を数える。報道陣や主催者にとっては「恒例行事」だ。手慣れた感じで会見は進行したが、出席した4選手、巨人・田中瑛斗、ヤクルト・内山壮真、ロッテ・鈴木昭汰、西武・西川愛也にとっては、交流戦は自身の存在意義を高めるためのまたとないチャンスであり“恒例”という意識は全くなかったはずだ。

 それにしても今年の出席選手は、絶妙の人選と言える。

 巨人の田中は昨年オフ、現役ドラフトで日本ハムから移籍。日本ハム時代は在籍7年で10登板に過ぎなかったが、新天地巨人では今季すでに21試合に登板、中継ぎ投手として13ホールドを挙げている。交流戦では東京ドームで古巣日本ハムと当たる。

ADVERTISEMENT

 ヤクルトの内山は、星稜高からドラフト3位で入団。打てる捕手として期待され、一時は高校の1年先輩の奥川恭伸とのバッテリーで売り出したが、正捕手中村悠平などの壁は厚く、今は打力を活かすために外野を守る。今年は少し結果が出始めている。

 ロッテの鈴木は法政大からドラフト1位で入団。当初は先発で起用されたが、救援に転向。昨年セットアッパーとして27ホールド、防御率0.73と活躍。勝負の2年目を迎えている。

 そして西武の西川は、2018年花咲徳栄高から2位で入団。スケールの大きな外野手として将来を嘱望されながら、一軍に定着できなかったが、今季は1番に抜擢され、交流戦開始までに4本塁打11盗塁、打率.275と結果を出している。前夜のほっともっとフィールドのオリックス戦でも本塁打を打っている。

「清宮、野村、万波を抑えたい」

 4人とも「有望選手」ではあるが、まだスターと呼ぶには実績が足りない。今季、ともに好調で首脳陣にアピールしているが、彼らにとっては「今が一番大事」。交流戦を「絶対的な信頼を勝ち得るための足掛かり」にしようと考えている。それだけに言葉に力が入る。

 田中は「(去年までチームメイトの)清宮、野村、万波をしっかり抑えたいと思います」

 内山は「今、僕らのチームはあまり良くないけど、交流戦は絶対にいいチャンス」

 鈴木は「(ロッテファンは)甲子園では阪神の大応援に負けずにいつもの倍の声量で応援をお願いします!!」

 そして西川は「(高校同級生の)中日の清水投手と対戦したい」と思いを吐露した。

 ユニフォーム姿の4人からは「上昇志向」のオーラが立ち上っている気がした。

【次ページ】 移籍経験者の内川が果たした役割

1 2 3 NEXT
#田中瑛斗
#読売ジャイアンツ
#内山壮真
#東京ヤクルトスワローズ
#鈴木昭汰
#千葉ロッテマリーンズ
#西川愛也
#埼玉西武ライオンズ
#清宮幸太郎
#万波中正
#野村佑希
#北海道日本ハムファイターズ
#内川聖一

プロ野球の前後の記事

ページトップ