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「オオタニの投手復帰にメリットない」アメリカで賛否…大谷翔平は二刀流をやめるべきか? 名物記者もメジャー最強打者も言及「ドジャースの攻撃力が落ちる」
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水次祥子Shoko Mizutsugi
photograph byGetty Images
posted2025/05/30 17:03

大谷翔平の二刀流復活を待望するムードが漂う一方、アメリカでは投手復帰自体に否定的な声も上がっている
例えば米スポーツビジネス専門メディア「スポーティコ」は5月15日付の記事で「ドジャースのオオタニは、投手復帰というリスクを伴う道を進むには、打者としてあまりにも貴重な存在であり過ぎる」と論じている。
確かに大谷は今季ここまで、前人未到の「50本塁打、50盗塁」を達成した昨季に匹敵するシーズンを送っている。5月28日にチームが56試合を消化した時点で本塁打は58本ペース、盗塁は32個ペース。MLB公式サイトによると「50本塁打、30盗塁」でさえ昨季の大谷以外、メジャー史上では誰も達成しておらず、今季このペースでいけば2年連続で前人未到に到達する。「40本塁打、20盗塁」に到達すれば大谷にとっては4度目となり、これを4度達成したのはメジャーの長い歴史でも元ヤンキースのアレックス・ロドリゲスと大谷だけ。また、もし盗塁ペースを今より少し上げることができれば、2年連続で「40本塁打、40盗塁」に到達することができるかもしれず、これを複数回達成するのはメジャー史上初の快挙になる。
しかし、もし今季途中で投手に復帰すれば、打者としてこのペースを維持するのは至難の業になると、多くの関係者や野球ファンは考えている。ロッキーズで7年、西武で1年プレーした元外野手で現在解説者を務めるライアン・スピルボーグス氏は5月下旬に米専門ラジオ局MLBネットワークの番組に出演し、こう力説した。
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「ショウヘイ・オオタニが打者としてどれだけの成績を挙げているかを考えると、投手との二刀流をさせることにメリットはないと思う。打者に専念した昨季はOPS1.036をマークし、今季もここまで同レベルの数字だが、投手として復帰すれば、この数字は確実に落ちる。ドジャースの攻撃陣はレベルが高いとはいえ、オオタニの攻撃力が減少するのは大きな痛手だ」
ボンズも断言「打者に専念すべき」
大谷は投手を諦め打者に専念すべきという意見はこれまでも米球界でたびたび語られてきた。