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体操・杉原愛子が“史上初の快挙”のウラ側…ナゼ10年ぶりNHK杯優勝できた?「感謝の気持ちでいっぱいで…」杉原が見せた“予想を超える可能性” 

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矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

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posted2025/05/20 17:02

体操・杉原愛子が“史上初の快挙”のウラ側…ナゼ10年ぶりNHK杯優勝できた?「感謝の気持ちでいっぱいで…」杉原が見せた“予想を超える可能性”<Number Web> photograph by AFLO

10年ぶりのNHK杯優勝を飾った杉原愛子

「10年後に体操をしているとも思っていなかった」

 15歳で初優勝を飾った2015年は男女の決勝が同じ日にあり、NHK杯10連覇の中の7連覇目だった内村航平さんと一緒に表彰式に臨んだ。「あの時、航平さんに『お疲れ』と言ってもらい、握手して頂いたことを思い出した」と懐かしんだ。

「10年前に優勝させていただいた時は、順位など全く考えていなかったし、自分自身を含めて誰も予想していなかった結果だったと思う。それに、10年後にこうやって体操をしているとも思っていなかった」

 自身2度目の出場だった21年東京五輪の翌年である22年6月に「現役生活に一区切り」をつけた後、23年から再び第一線に復帰した。15歳での初優勝でも見る人々を驚かせたが、10年後の今回はその時以上のインパクトを与えている。

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「世界選手権に個人総合の選手として出るのは2017年以来。感謝の気持ちでいっぱいなので、まずはケガをしないことを目標にして練習していきたい。そして、得意としているゆかでメダルを狙っていきたい」

世界でもメダル争いを…杉原の“予想を超える可能性”

 杉原がNHK杯でマークした13.933点は世界で十分にメダル争いをできるスコアだ。H難度のシリバスを武器とする岸と切磋琢磨しながら、そして力を合わせながら世界選手権を迎えられるのもプラスに作用するに違いない。

 杉原がゆかの演技のラストの決めポーズで額の上でつくる指の形は「王冠」を示している。結果でも戴冠を果たしたNHK杯に続いて世界の舞台でも王冠を被ることができるか。採点ルールの方向性を鑑みても、杉原の体操は世界が求めているものと合っている。予想もできないことを実現させてしまいそうな勢いが今の杉原にはある。

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