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マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
「あながち無理とも言えない」東大の“サブマリン2世”渡辺向輝(21歳)に指名はある? スカウトが語ったリアル評「“ある懸念”が払拭できれば…」
posted2025/04/29 11:02

春の六大学野球リーグの明治大戦で9回2失点完投の好投を見せた東大4年の渡辺向輝。父は元ロッテや日本代表で活躍した俊介さんだ
text by

安倍昌彦Masahiko Abe
photograph by
Sankei Shimbun
春の東京六大学リーグが佳境を迎えている。注目を集めるのが、東大の渡辺向輝投手だ。第2週には強豪・明治大を相手に9回2失点の完投劇。ロッテで活躍した父・俊介さんと同じアンダーハンドの秀才を、プロスカウトはどう見たのだろうか?《NumberWebレポート全2回の1回目/つづきを読む》
飛び石のゴールデンウィークに突入し、野球シーズンもまさにたけなわになってきた。
この時期、アマチュア野球は、高校、大学、社会人……すべてのカテゴリーにおいて、全国でいっせいに大会やリーグ戦が行われ、取材者としては、どこへ足を運ぶのか、実に悩ましい季節なのだ。
東京六大学・春のリーグ戦第2週。東京大・渡辺向輝投手(4年・167cm63kg・右投右打)が、強打の明治大学打線と五分にわたり合ったピッチングを見た。
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9回投げきって、7安打1三振3四球の2失点。
神奈川の高校野球への移動があって、6回までの観戦だったが、アンダーハンドからの生命力あふれる速球は、打順3廻り目になっても歴戦の明治大打線が差し込まれたり、芯を外されたり、明らかに手を焼いていた。
好投の「東大サブマリン」…その父は?
よく似ているなぁ……と思いながら、小柄なサブマリンの奮投を見ていた。
もう30年ほど前の記憶。
国学院栃木高に小関竜也という強打の本格派左腕がいて、その投げっぷりを見たくて練習試合に足を運ぶたびに、なんの巡り合わせなのか、小関選手はいつも外野を守り、マウンドではいつもスリムで色白のアンダーハンドが投げていた。
「またこのピッチャーか」と少しガッカリしながら見ていたアンダーハンドに、次第に惹きつけられていったのは、ギリギリのタイミングまで上体を潜らせて、地面ギリギリの低さでボールをリリースする「本物のアンダーハンド」だったからだ。