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「将大…あの野郎、激励してるのに(笑)」20歳年上の戦友・山崎武司が語る田中将大愛…巨人2戦目は炎上も「勝ち運は残っている」と見るワケ 

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間淳

間淳Jun Aida

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photograph byHideki Sugiyama

posted2025/04/26 17:03

「将大…あの野郎、激励してるのに(笑)」20歳年上の戦友・山崎武司が語る田中将大愛…巨人2戦目は炎上も「勝ち運は残っている」と見るワケ<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

巨人2戦目は苦しい登板となった田中将大だが、楽天時代の先輩・山崎武司は復調に期待している

「将大は『分かりました』と答えて、すぐに受け入れてくれました。気が進まず嫌なことであっても、自分に必要だと判断したのだと思います。なかなか、できることではないですよね」

 一方、聞く耳を持たない頑固な一面もあった。試合でピンチを招いて内野手がマウンドに集まる際、一塁の守備に就いていた山崎氏が声をかけても、田中は空返事だった。山崎氏は、かつてチームメートだった先輩の山本昌氏を引き合いに出して笑う。

「昌さんはマウンドに行って声をかけると、『ありがとう、そうだよな』と返ってきました。それに対して、将大は全く人の話を聞いていない。『はい』と返事をしても、『うるさいな』という顔をしていました。『あの野郎、大ベテランが激励しているのに』と思う時はありましたよ」

律儀な後輩です。将大には感謝しています

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 同じ言葉をかけても、選手によって受け取り方は違う。山崎氏は田中の反応を見てから、「将大は自分で解決するスタンスだったのだと思います。投手の性格によりますからね」とマウンドに行っても言葉をかけないようにした。今まで見てきた10代と同じ基準で田中を測れない。周りに言われる以上にピンチを脱する方法を考えていると山崎氏は感じ取っていた。

 山崎氏は20歳年下でありながら、野球選手としての田中の能力と人間性に一目置いていた。年齢は離れ、投手と野手で接点は少ないが、時に食事へ誘った。不思議と田中が登板するとバットで援護する試合も多く、人見知りの田中も山崎氏に信頼を寄せた。

 2人の関係性は山崎氏がユニホームを脱いでからも続いている。

 田中はキャリアの岐路に立った時、山崎氏に欠かさず電話をする。ヤンキースへの移籍や楽天復帰が固まった際にも連絡。楽天を退団して巨人に入団するまでの期間には3度も電話で話している。山崎氏が地元の名古屋で引退パーティーを開いた2013年オフには、ヤンキース移籍の直前で多忙な最中でも顔を出した。山崎氏は「律儀な後輩です。将大には感謝しています」と話す。

巨人入団…話をするのは、将大が落ち着いてからに

 思い入れの強い後輩だからこそ、山崎氏は新天地で勝負をかける今シーズンの田中を気にかけている。

【次ページ】 “勝ち運”は残っていると山崎が見る根拠

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