「じつは横浜も楽天も入団テストで落ちました」巨人で新人王、“育成の星”の逆転人生…「年俸240万円→推定3億円超」「巨人もダメなら横浜で打撃投手に」 

　支配下2年目の08年、チームに欠かせぬ存在と認められた山口は、前年の倍以上にあたる67試合に登板。育成出身選手として初の新人王を獲得した。

　なぜ山口は、一軍の舞台でここまで活躍できたのか。小谷の考えはこうだ。

2008年、セ・リーグ新人王になった。右はパ・リーグ新人王のオリックス・小松聖　©JIJI PRESS

「荒れ球でツースリーまで行くんだけどフォアボールは出さない。そういうしつこさがあった。ピンチでも飄々としていたしね。相手にしてみたら嫌だったと思うよ」

ADVERTISEMENT

　そして「すべては彼の努力」と呟いた。

　玉突きに興じていた高校生が、9年連続60登板への扉を押し開くまで――。そこには、人生の不思議を詰め込んだ7年間の旅路があった。

＜《米マイナーリーグ》編から続く＞