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「田舎町の“天才少年”が…」マスターズ制覇マキロイ35歳“まるで漫画”みたいな人生「タイガー・ウッズとは違う天才」「17歳石川遼とトリオ結成」
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舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph byL)Splash/AFLO,R)Getty Images
posted2025/04/15 11:02

初のマスターズ優勝を飾ったロリー・マキロイ(35歳)。田舎町の天才少年がタイガー・ウッズ以来、25年ぶりに史上6人目のグランドスラムを達成した
ゴルフ場内でバーを経営していた父ゲリーの影響で自然にクラブを握ったマキロイは、ウソかホントかは不明だが、「2歳で飛距離が40ヤードだった」と言われていた。
ニック・ファルドに憧れ、ファルドのレッスンビデオばかり見ていたマキロイは、自らを「僕の名前はローリー・ニック・ファルド・マキロイです」と名乗っていたという逸話もある。
7歳のとき、全米アマチュア選手権でタイガー・ウッズが3連覇を成し遂げたテレビ中継に釘付けになっていたマキロイは、キッチンに立っていた母親ローズィーに向かって、「ママ、ちょっと来て。ママ、なんか、すごいよ、この子!」と叫んだそうだ。
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まだ7歳だったマキロイが、テレビに映し出された20歳のウッズを「この子」と呼んだあたりには、すでに大物ぶりが表れていた。
そう、マキロイは田舎町で生まれ育った純朴な少年という一面は確かにあったが、その反面、途轍もなく大胆な一面もあり、そして巧みな技術を備えた天才少年だったのだ。
石川遼も出場した2009年マスターズ
2009年2月の欧州ツアー、ドバイ・デザート・クラシックを19歳273日の若さで制した時点では、まだ「純朴少年のまぐれ優勝」としか、捉えられていなかった。
その後、スポンサー推薦でPGAツアーデビューを飾ったころも、すぐれたエリートゴルファーとは見られていなかった。
そんな「マキロイ像」が変わり始めたのは、マキロイが初出場した2009年マスターズからだった。
あの大会には、当時19歳だったマキロイと18歳のダニー・リー、そして17歳の石川遼が出場しており、3人は「ティーンエイジャー・トリオ」と呼ばれていた。
だが、3人の中で予選通過を果たしたのはマキロイただ一人。そして、決勝進出を決めた2日目の最終ホールでは、ちょっとした出来事があった。