魁皇の大相撲ボヤキ解説BACK NUMBER

「同情されるような相撲を取るのはよくない」元大関・魁皇が“ケガの力士”を疑問視「昭和の時代は“ケガは土俵で直せ”が常識だった」 

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浅香山博之

浅香山博之Hiroyuki Asakayama

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posted2025/03/28 11:06

「同情されるような相撲を取るのはよくない」元大関・魁皇が“ケガの力士”を疑問視「昭和の時代は“ケガは土俵で直せ”が常識だった」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

2001年7月場所、魁皇(右)は武蔵丸を上手投げで破り、3度目の優勝を決める

 ファンの間では「優勝したら」「勝ったら」などと条件付きのことが多くて厳しすぎるんではないか、との声があるそうですね。僕も、三賞受賞を決める審判の経験がありますが、別に出し渋っているわけでもなんでもないはずですよ。その場所その場所で目立った活躍をした力士が受賞するものですが、今までも「あと1勝すれば受賞できたのに」との例はたくさんありました。際どいところで三賞に選ばれ、基準が厳しいからこそ、そのありがたみがある。力士のみんなが「よし! 今日勝てばもらえるんだ!」と、さらに気合が入ったいい相撲を取ることにもなります。

 40歳の年齢で今場所も10勝した玉鷲など、それこそ毎場所三賞をあげなきゃいけないくらいになりますから、そこはある程度の基準=線引きは必要なんですよね。

 おっと、ついつい話し過ぎたかな。長くなりました。今場所は最後にきっちりと大関が締めてくれ、元気な新入幕力士もいたり、新十両優勝で記録を作った草野なども話題になり、とても面白い場所だったと思います。みなさま、今場所も大相撲の応援をありがとうございました。

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 さぁ、桜咲くなかでの春巡業が、もうすぐに始まります――。

(構成=佐藤祥子)

<前編から続く>

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「大の里は勝ち方が圧巻でも、負け方がひどい」元大関・魁皇が本音で語る“荒れる春場所”「(また優勝逃した)高安、まだイケるから!」

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