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投手・大谷翔平復帰が6月なら「9勝95奪三振、防御率2.80」と予想するが“2度目のトミージョン”だけに…二刀流継続へ「勝負の年」なワケ 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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posted2025/03/18 06:04

投手・大谷翔平復帰が6月なら「9勝95奪三振、防御率2.80」と予想するが“2度目のトミージョン”だけに…二刀流継続へ「勝負の年」なワケ<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

2シーズンぶりにマウンドに上がる予定の投手・大谷翔平。復帰時期を6月頃として、成績を予想すると……?

 大谷は2018年にトミー・ジョン手術を受けている。その後、投手としても大活躍したが、23年に2度目の右腕側副靱帯再建手術を受けて、人工靱帯を装着するインターナルブレースという施術(いわゆるハイブリッド手術)を実施したとされる。これによって、回復期間は短くなり、じん帯も補強されたが「2度のトミー・ジョン手術」は予後が良くないとの説もある。

 一例として挙げられるのは、昨年、大谷のチームメイトで同い年のウォーカー・ビューラーである。

 2015年、ドジャースにドラフト1巡目指名された直後にトミー・ジョン手術を受け、19年には14勝、21年にはリーグ最多の33先発で16勝を挙げた。2022年には開幕投手を務めたが、同年8月に2度目のトミー・ジョン手術を受けた。24年に復活してワールドシリーズ胴上げ投手となったが、16先発で1勝6敗、防御率5.38に終わった。

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 もうひとり例を上げると、昨年ホワイトソックスで投げたマイク・クレビンジャーか。マイナー時代の2012年に1度目のトミー・ジョン手術。インディアンス(現ガーディアンス)時代の2017年から3年連続で2ケタ勝利を挙げたが、2020年10月に2度目のトミー・ジョン手術を受けた。2022年にパドレスで復活するも7勝7敗、防御率4.33。ホワイトソックスに移籍した23年には9勝9敗、防御率3.77と持ち直したが、24年は0勝3敗、防御率6.75に終わった。

2度の手術後に一線級の成績を維持する選手も

 その一方で2度の手術を経ながら、一線級の成績を維持している投手もいる。

 昨年、今永昇太とともにカブスのローテーションを維持したジェイムソン・タイヨンはパイレーツ入団後、マイナー時代の2014年に1度目のトミー・ジョン手術。2016年にメジャーに昇格した後の3シーズンで5勝、8勝、14勝を挙げエース格となった(17年は精巣ガンの手術を受けた)。その後、2019年8月に2度目のトミー・ジョン手術。21年、ヤンキースに移籍して復帰して以降の2年で8勝、14勝。カブスに移籍後も8勝、12勝。ここ4年連続で140イニング以上を投げるなど、安定した成績を挙げている。

 もう一人、2度のトミー・ジョン手術を克服した先発投手を挙げるなら、ネイサン・イオバルディだろう。

【次ページ】 もし6月投手復帰なら、15~16登板か

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