酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
「大谷翔平の打率.318、51本塁打123打点なら三冠王も」昨季は“予想を大きく上回る”50-50だったので…「2025年も破天荒な成績」を夢見たい
posted2025/03/18 06:03

昨年は50−50の偉業を達成した打者・大谷翔平。2025年の打撃成績を予想すると……?
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広尾晃Kou Hiroo
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AP Photo/Hiro Komae/AFLO
2024年、予想が現実より大きく上回る50-50
今年もMLBシーズン開幕前に大谷翔平の「成績予想」をしてみよう。筆者は2021年以降、大谷の投打の成績を予想している。今回は「打撃編」「投手編」に分けて、予想をする。今年で5回目となるが、過去の予想と結果は以下の通りだ。
【2021年エンゼルス】※二刀流
予想:140試合608打数180安打35本塁打80打点15盗塁60四球 打率.296
結果:158試合537打数138安打46本塁打100打点26盗塁96四球 打率.257
【2022年エンゼルス】※二刀流
予想:150試合506打数135安打35本塁打79打点30盗塁120四球 打率.267
結果:157試合586打数160安打34本塁打95打点11盗塁72四球 打率.273
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【2023年エンゼルス】※二刀流/本塁打王
予想:155試合580打数180安打40本塁打100打点25盗塁74四球 打率.310
結果:135試合497打数151安打44本塁打95打点20盗塁91四球 打率.304
【2024年ドジャース】※打撃のみ/本塁打王、打点王
予想:150試合542打数161安打40本塁打116打点32盗塁90四球 打率.297
結果:159試合636打数197安打54本塁打130打点59盗塁81四球 打率.310
毎年「当たらずと言えども遠からず」の数字かと思うが、2024年は四球を除くすべての数値で、結果が予想を大きく上回ってしまった。
昨年の大谷は投手としては右ひじ靱帯の再建手術からの回復途上、つまりリハビリ中で、打者に専念したが、その結果としてリーグをまたいで2年連続の本塁打王とMVPを獲得。前人未到の「50-50(50本塁打、50盗塁)」も記録した。まさに破天荒な活躍で、余勢をかってワールドシリーズも制覇した。
大谷翔平の数字について書くときに、たびたび「筆者にも常識というものがある」と言ってきた。数字を扱うものは、前年までの実績に基づいて予想をするものだ。前年までの数字を大幅に上回る「キャリアハイ」は、予想できるものではない。大谷がいかに破天荒だからと言って、前代未聞の成績を予想するのは「ほら吹きの所業」ではあろう。
空前の成績を残した“2つの要因”とは
と、いろいろ言い訳をしたが――懲りずに今年の予想をする上で――2024年の大谷が空前の成績を残せた「要因」を列挙しよう。