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「“グラレスラー”3人で強くなっていきたい」マリーゴールドの初代新人王・勇気みなみが明かす同期愛「私のほうが頼ってますね」《特別グラビア》
text by

橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byShiro Miyake
posted2025/03/14 11:00

マリーゴールド所属のプロレスラー・勇気みなみの特撮インタビュー
「それに入ることまではできても、そこから辛いことがたくさんあるのがこの世界なので。落ち込んでも、2人がいるからなんとかなったんです。
本当のことを言うと、マリーゴールドに“グラレスラー”は1人でいいじゃんという気持ちもありました。でも3人で強くなっていきたいというのが実感です。そういう意味では、やっぱり先輩というより同期。むしろ私のほうが頼ってますね」
本当に支え合ってきましたから。咲村も橘もそう語る。咲村と勇気は練習と試合、アイドルとしてのライブなどで「週に5、6日は一緒にいるし、活動の90%が重なっている」状態だ。
マリーゴールドの初代新人王でも悩みは…
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2月20日の後楽園ホール大会では、勇気と咲村が初めてタッグを組んだ。咲村にとってはプロレス人生で初のタッグマッチだった。結果は負けだったが、試合をしながらパートナーが次に何をやるのか感じ取ることができたという。
「セコンドに付いていても、何をしてほしいか目を見れば分かります」(咲村)
勇気は昨年大晦日のトーナメントで優勝し、マリーゴールドの初代新人王になった。
「新人王ってコールされると嬉しいですね」と勇気。だが複雑な思いもある。
「(ビクトリア)弓月さんは私の1年前、スターダム時代に新人王になってますよね。内容を比べると、やっぱり見劣りしてしまうなと……」
団体トップのベルトを持つ林下とシングルで対戦した時には「新人王がこのレベルでいいのか」と釘を刺された。マリーゴールドの若手たちの中で一番でなくてはという責任感もある。観客席から「新人王!」と声をかけられると背中を押される気持ちにもなる。ただその一方で「自分は自分だから」と精神的なバランスを取るようにもしている。
「カッコいいお姉さん」より「親近感」
プロレスラーとしては闘争心が薄い。それが勇気の自己分析だ。実力が足りなければ気合いでなんとかするといった発想はしない。
「緊張もそんなにしないんですよ。“今日は緊張してるかな、してないな。いやちょっとはしてるかな”みたいな感じで。緊張してもテンションを上げても、練習してきた以上のものは出せないので」