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「性格は一番プロレスに向いてる」ジュリアの評価…新人レスラー・咲村良子が語る“アイドルとプロレス”「気が強すぎるのも長所に」《特別グラビア》
posted2025/03/13 11:01

マリーゴールドの新人プロレスラー・咲村良子の特撮インタビュー
text by

橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph by
Shiro Miyake
プロレスデビューは、咲村良子にとって久々の“初体験”だった。高校時代にアルバイトがてらフリーモデルを始めて12年。アイドルとしてもグラビアタレントとしても、簡単には語り尽くせない経験をしてきた。
「芸歴が長くなると、何をするにしても慣れてるんですよ。でもプロレスはこれまでやってきたこととは違ったし、なおかつ久しぶりに“これだ!”という感覚を味わいました」
同じアイドルグループの勇気みなみ、同じ事務所の橘渚とマリーゴールドに入門。橘とはデビュー日も一緒だった(昨年12月26日)。咲村が対戦したのは“女子プロレス界の人間国宝”と呼ばれる高橋奈七永だ。結果は完敗だったが「アドレナリンとドーパミンで練習以上のものが出ました。ドロップキックもいつもより10cmくらい高かったんじゃないかって」。
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相手が奈七永でよかったとも思った。懐の深いベテランに力を引き出してもらった。
「奈七永さんは強いし怖い。ゴング前に握手した瞬間に震えるほどでした。でも、そんな凄い人なのに負けたら悔しいんですよ」
プロレスだから溢れ出た涙
試合では泣かないと決めていた。実際に泣かなかった。けれどインタビュースペースで涙とともに感情が溢れ出た。興奮もあるし負けた悔しさも。プロレスだから出た感情だろうと咲村は振り返る。
「プロレスは他のジャンルとは全然違いますね。本当のこと、素の自分をエンタメに昇華していくというか。アイドルやグラビア、イメージDVDは“こう見せよう”という狙いがあるんですけど、プロレスは本当の感情しか出せない。アイドルでは隠してきた性格、本来の自分の性格が出ている気がします。それは昔から一番よく知っている自分なんです」
アイドル・咲村良子のファンにとってもリングでの姿は新鮮だろうと勇気。
「アイドルグループCLIPCLIPの咲村良子は、クールでカッコいいタイプ。大人ですべて完璧みたいな。プロ意識が高いゆえに、辛いとか苦しいという感情を出してこなかったんだと思います。そんな良子さんが、プロレスでは顔をグチャグチャにして相手に立ち向かっていく。それまで見たことがない姿だと思います」