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「本当にコテンパンにされる毎日」河村勇輝が明かす“NBAのとてつもなく高い壁”「いつ解雇されてもおかしくない世界にいるんだなと…」
posted2025/03/12 11:12

「人生最大の挑戦の場所」メンフィスでインタビューに応じた河村勇輝
text by

宮地陽子Yoko Miyaji
photograph by
Tetsuo Kashiwada
発売中のNumber1115号に掲載の《スペシャルインタビュー 河村勇輝「この世界が僕を強くする」》より内容を一部抜粋してお届けします。
NBAとGリーグの間にある、とてつもなく高い壁
現地2月27日時点で、河村はNBA20試合に出場しているが、そのうち、俗に言う『ガベージタイム』以外でコートに立つことができたのは1回だけ。1月6日のダラス・マーベリックス戦だ。試合前に、『きょうは前半から出すから用意しておくように』と言われ、実際、第1Qの残り4分54秒でコートに立った。出てすぐに味方のレイアップをアシスト。しかし一方で、打った3ポイントショットは外れ、ディフェンスでは2つのファウルを吹かれ、わずか2分18秒でベンチに下げられた。そして、そのまま試合終了まで再びコートに立つことはなかった。
「あの試合では一歩進めたかなって思ったんですけど、あの数分で結果を残せるか残せないかが試されているところだったと思います。1アシストはしましたけど、3ポイントを1本打って決めきれなかったのは自分の実力不足。NBAではいつチャンスが訪れるかわからないので、だからこそ常にそのチャンスをつかみ取れるように準備しないといけませんし、やっぱり、ああいったところで結果を残さないと、こういった厳しい世界では生き残っていけないんだろうなって思います」
一方で、傘下のハッスルでの出場は20試合。こちらではスターティング・ポイントガードを務め、主力として毎試合、30分前後出場している。特にアシストでその能力を発揮し、平均9.1本を記録している。NBAオールスター・ウィークエンド中に開催されたGリーグ・アップネクストゲーム(オールスターゲーム)にも、ファン投票でトップ選出されて出場。味方へのアリウープパスで見せ場を作り、会場を沸かせていた。
「本当にコンパンにされる毎日なので…」
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ただ、Gリーグでの活躍と、NBAでのローテーション入りの間にはまだ高い壁があると実感している。