“偏差値70超え”公立進学校の野球部が「21年ぶり県ベスト4」のウラ側…「雲の上の存在」強豪私学へのホンネは？ フツーの高校生が高校野球にかけた青春

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「まずは甲子園でグラウンドに立っている光景が本当に描けるかですよね。それに甲子園に出場すると、関西での長期滞在の生活になります。そういったイメージができた状態で準決勝や決勝に臨めるかどうか。そこが甲子園に行けるかどうかのカギになると思います」

　今年の高校野球の群馬大会。同県屈指の進学校である県立高崎高校＝タカタカは、21年ぶりにベスト4まで歩を進める快挙を達成した。一方で、準決勝では強豪私学の前橋育英相手に2-17と完敗。

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　では、果たして「普通の公立校」が聖地・甲子園に辿り着くには、何が必要なのだろうか。

　チームを率いた飯野道彦監督が最初にあげたのが、冒頭のマインドセットの問題だった。

「もちろん直接聞いたわけではないんですけど、今年の彼らにそういうイメージはなかったと思います」

　チームのエースだった黒田湊も同調する。

「大会中はもうベスト8とかベスト4の実感って全くなくて。初戦から苦戦しましたし、目の前のことで必死で。だから何というか……終わってみたら嬉しいんですけど、実感は全然、なかったです。もちろん甲子園とか、全然具体的に見えていなかったので」

群馬大会で好投したエースの黒田　©Yuki Suenaga

横綱・健大高崎への“正直な本音”

　主将を務めた内野手の広沢圭亮は、もっと率直だった。

「自分でも想像していなかった結果というか……。ほんとにあそこまで勝てると思ってなかったんで、正直」

　もちろん例年、タカタカ野球部は目標として「甲子園」を掲げてはいる。

　だが、その解像度がどこまで高いのかという問題である。このコースに投げて、甲子園の打者は抑えられるのか。このスイングで、甲子園の投手が打てるのか――。実際にそのゴールに近づけば近づくほど、そういった細部が明暗を分けることになるのだ。

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