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核心にシュートを!BACK NUMBER
「堂安律で数字取れないでしょ!」なぜか日本で低評価だが…「ドウアンは24億円でもお買い得」“ドイツで宝石”の背景は8ゴール6アシストだけではない
text by

ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byKiichi Matsumoto
posted2025/02/22 17:01

日本代表、フライブルクで右サイドハーフとして新境地を見せる堂安律。新シーズンはドイツ国内でのステップアップとなるか
「◎」は現在のクレシェGM――隠れた才能を持つ選手を見極める眼力があることで知られる――が獲得および退団に関わった選手。「〇」はクレシェ氏が退団のみ関わった選手。カッコ内は移籍先と退団時の年齢、金額は退団時の年齢と移籍金→移籍金収支(退団時の移籍金から獲得時の移籍金を引いたもの)。
1位:コロ・ムアニ(パリSG/24歳)◎
9000万ユーロ/9000万ユーロ ※移籍金なしで獲得
2位:マルムシュ(マンチェスター・シティ/25歳)◎
7500万ユーロ/7500万ユーロ ※移籍金なしで獲得
3位:ヨビッチ(レアル・マドリー/19歳)
6300万ユーロ/4064万ユーロ
4位:アレ(ウェストハム/25歳)
4000万ユーロ/3200万ユーロ
5位:パチョ(パリSG/22歳)◎
4000万ユーロ/2635万ユーロ
6位:リンストローム(ナポリ/22歳)◎
3000万ユーロ/2300万ユーロ
7位:アンドレ・シルバ(ライプツィヒ/25歳)〇
2300万ユーロ/2000万ユーロ
8位:コスティッチ(ユベントス/29歳)〇
1470万ユーロ/840万ユーロ
9位:ソウ(セビージャ/26歳)〇
1400万ユーロ/-400万ユーロ
10位:トラップ(パリSG/25歳)
950万ユーロ/800万ユーロ
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フランクフルトは2010年代後半から、市場価値よりも安い価格で選手を獲得し、高額の移籍金で売却するプロセスを繰り返してきた。そして2021年7月、SDとしてクラブにやってきたクレシェがその流れを加速させた。さらにクレシェがGMに昇格してからは、高額な移籍金収入が望めるのであれば、獲得から1年程度でも迷わず選手を売却するようになった。パチョやコロ・ムアニなどがまさにそうだ。
これを見れば、分かるはずだ。最終的にはCLで優勝できるようなクラブへの栄転を目指しているであろう堂安が、次のステップにフランクフルトを選ぶとしたら――かなりの期待ができる。
「24億円はお買い得」と思わせる堂安の力
ただ、来シーズンの開幕を27歳で迎える堂安にとって、残された時間は決して長くはない。
もし堂安がフランクフルト加入から1年でステップアップできたとしても、翌シーズン開幕時には28歳になるからだ。先のトップ10に入っている選手のなかで、28歳以上で他クラブへと移籍したのは、EL優勝に貢献したコスティッチだけ。そんなシビアな状況があることは頭に入れておかないといけない。
一つだけ言えるのは、第1回で取り上げた『スポーツビルト』の報道――クレシェGMのいるフランクフルトが獲得に動いたというものは、1500万ユーロ(約23億5950万円)強と言われる移籍金を考えると、堂安がすごくお買い得の選手だとヨーロッパ中に知らしめる効果があったことだ。
果たして来年の6月16日に28歳になる堂安は、どんなステップを踏むか。実に楽しみである。〈第1回からつづく〉
