「意図的に勧誘しています」なぜ“常勝軍団”帝京大ラグビー部が“超進学校”出身者を狙うのか？…「以前は強豪校のキャプテンばかりでしたが…」 

　常識的なチームは、うまくいかない事態に直面したときに対応できず、あっさり敗れてしまうケースが往々にしてある。帝京大の連覇が途切れた3シーズンは、まさしくそんな袋小路に迷い込んでいた。

「私が監督になる頃からは、今までは帝京大に来ていなかった高校の選手にも声をかけるようにしました。それまで岩出前監督の人間関係で繋がっていた高校だけでなく、私の関係や、採用担当の土橋（輝久）の関係で繋がりのある学校の先生にも相談して、帝京大を進路の候補に入れて戴いているところです」

　学生の側から見える構図も変わってきている。従来なら、競技だけでなく卒業後の就職も考えて早慶など難関大学を目指す学生が多かった進学校から「強い組織のマネジメントを学びたい／経験したい」と、選手だけでなく学生コーチや学生レフリーの立場で帝京大への進学を希望する例が現れている。

4Gを決めたCTBの大町は長崎の公立進学校として名高い北陽台高の出身　©Kiichi Matsumoto

4年間、公式戦出場経験のない留学生も…

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　国内の高校からだけではない。

「留学生にしても、戦力としてだけで考えているわけではありません。いろいろな環境で育ってきた選手が揃うようにしています」（相馬監督）

　9連覇の時代、帝京大の留学生選手といえばヘンドリック・ツイ（現浦安D-Rocks）やマルジーン・イラウア（現静岡ブルーレヴズ）らニュージーランド出身の選手が大半だったが、現在在籍しているのは2年生にフィジー出身のFLカイサ・ダウナカマカマ、4年生に南アフリカ出身のFWキアヌ・クッツェ、BKセバスティーン・ワットニ。南アフリカの2人は4年間、公式戦出場がなかった。

　戦力という視点だけで見れば機能していたとはいえない。だがそんな彼らも、帝京大ラグビー部に異文化を持ち込み、組織を活性化させる上で大きな役割を果たしていたのだ。

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