酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
「米球界でも差別は感じることはありますが」28歳女性コーチが沖縄でトライアウト選手の涙にもらい泣き…初来日で感じた「人生が変わるきっかけ」
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広尾晃Kou Hiroo
photograph byKou Hiroo
posted2025/02/05 06:00

マイナーリーグでのコーチ経験もあるサラさん。日本野球の印象は?
「ここに来るまではアジアの野球に対してのイメージはほとんどありませんでした。選手たちの間にこんなに入っていけるとは思ってもみませんでした。NPBの選手も含め、アジアの選手たちと触れ合うことができましたし、スカウトたちとのネットワークが広がったことで、これからどうなっていくか、すごく楽しみです」
実はJWLは、選手だけでなく、指導者やトレーナー、アナリストにとってのトライアウトでもある。昨年も「ドライブライン」のコーチだったダニエル・カタランが台湾プロ野球のコーチに招へいされた。
サラにも、すでにオファーが来ているという。JWLの最終日、サラがゲームコーディネーターをしたEISAは、アドバンスリーグのプレーオフで敗退した。試合が終わって、選手を集めてサラが話をした。
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「野球の監督をしたのは初めてでしたが、本当に素晴らしい経験でした。皆さんは、これからいろいろなところでプレーをするでしょうが、この体験を忘れないでほしい」
選手の涙にサラさんも、もらい泣き
4週間という期間、チームメイトとして戦った経験は、何物にも代えがたい。サラさんの話を聞きながら、何人かの選手が涙を流した。サラさんももらい泣きをした。
多くの選手にとって、ウィンターリーグは「一生の思い出」になるという。この時のチームメイトと今も交流を続けている人も多い。サラだけでなく、多くの選手にとってもJWLは、人生のゲームチェンジャーになっていくのだろう。
2月3日、台湾プロ野球(CPBL)の中信兄弟(監督は元阪神、オリックスの平野恵一)は、サラ・エドワーズのコーチ就任を発表した。昨年CPBLの覇者となった中信兄弟で、サラはどんな手腕を発揮するだろうか?
