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「開幕投手もスタメンも決まってない」変革を決意したカープ・新井監督3季目のキャンプで、熾烈な競争を勝ち抜く若手は誰?《プロ野球キャンプイン》

posted2025/02/01 11:00

 
「開幕投手もスタメンも決まってない」変革を決意したカープ・新井監督3季目のキャンプで、熾烈な競争を勝ち抜く若手は誰?《プロ野球キャンプイン》<Number Web> photograph by JIJI PRESS

昨季の最終戦を終え、マツダスタジアムでファンに強い決意を語った新井監督

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前原淳

前原淳Jun Maehara

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 若手のブレークスルーはあるか──。宮崎県日南市で就任3年目の春季キャンプに入るカープ・新井貴浩監督は、「変革」という言葉を掲げている。

 過去2年とは異なる緊張感が感じられる。キャンプ初日における参加選手の平均年齢は、昨春の26.1歳から24.8歳へと若くなった。一軍スタートの30代は投手では大瀬良大地のみ。野手は選手会長の堂林翔太のほか、秋山翔吾に菊池涼介、そして現役ドラフトでオリックスから加入した山足達也の4人しかいない。

 30代の選手が二軍キャンプで調整をはじめることは珍しくない。ただ例年ならば、オープン戦期間中など事前に一軍合流時期が決まっていたが、今年は開幕前の合流は誰も確約されていない。新井監督は二軍スタートの中堅選手たちに対して「しっかり競争してもらいます」とはっきり口にした。

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「中堅、ベテランもそうだけど、結果を出してほしい。そういうものを見せてほしい。まだ何にも決まってない。競争してもらいますよと」

昨季の急失速で得た決意

「結果」と「育成」の両輪を回しながら、就任2年目までは現有戦力を最大限に生かして戦ってきた。就任1年目に4年連続Bクラスだったチームを2位に導き、昨季はシーズン終盤の9月まで首位をキープした。だが、9月にリーグワーストタイ20敗の歴史的急失速。悪い流れを誰も止めることはできなかった。それが今のチームの力だった。計算が立つ“実績組”の経験よりも、潜在能力を秘めた若手の底上げの必要性を痛感させられた。

 新井体制3年目の今季、「結果」と「育成」の両輪では後者に重きが置かれる。

「来シーズンだけでなしに、変わっていかなければいけない、そう考えています。変わるということは、それとともに痛みも生じてくる。今年よりも来シーズンはさらに厳しい道のりになると思います。覚悟と信念を持って、強いチーム、強い選手を育てていきたいと思います」

 昨季最終戦で新井監督が残した言葉は「痛み」という強い表現が印象的だったが、それは新井監督の覚悟の表れに違いない。昨季までとは違って我慢の起用をする覚悟であり、それに伴い厳しい声が向けられることへの覚悟だと感じられる。

 だからこそ、中堅以上の選手たちは背筋を伸ばし、若手は目の色を変えている。

 昨季、右翼のレギュラーとして自身初の4番を務め、規定打席に到達した32歳の野間峻祥も危機感を口にする。

「イチからしっかりアピールする。キャンプ、オープン戦でしっかり結果を出して、開幕スタメンに入っていけるようにガムシャラになって頑張っていきたい」

【次ページ】 競争が激しい投手陣

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