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「腫れた目と傷…井上尚弥の破壊力」韓国人キム・イェジュンの挑戦はやっぱり無謀だったのか? 英国人記者が辛口評価も「もう誰も恐れる必要ない」 

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杉浦大介

杉浦大介Daisuke Sugiura

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2025/01/26 11:31

「腫れた目と傷…井上尚弥の破壊力」韓国人キム・イェジュンの挑戦はやっぱり無謀だったのか? 英国人記者が辛口評価も「もう誰も恐れる必要ない」<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

井上尚弥の強烈なパンチを物語る、キム・イェジュンの生々しい傷跡

 最後に井上の2025年プランを予測しておくと、いずれWBA暫定王者ムロジョン・“MJ”・アフマダリエフと戦うことになるのではないかと思います。アフマダリエフはしばらく井上挑戦を訴え続けており、彼と契約するマッチルーム・スポーツのプロモーター、エディ・ハーン氏は指名挑戦権を強硬に行使しようとするでしょう。気になるのは、井上が4〜5月に予定するラスベガス戦でアフマダリエフの挑戦を受けるか、それともWBA王座を返上してでもアラン・ピカソとのWBC指名戦を優先するか。

 井上がピカソと戦い、アフマダリエフはWBA正規王座に昇格し、秋に井上対アフマダリエフ戦を再度の4団体統一戦として挙行するというシナリオも理解できますが、あまりにも政治的な流れは個人的に好みではありません。先を考えすぎると、その途上でアフマダリエフがタパレスに苦杯を喫したような躓きが起こるものです。

「ベガスでは中谷潤人を組み入れてほしい」

 ともあれ、ピカソにしても、アフマダリエフにしても、私は彼らが井上に勝てるとは考えていません。楽しみなのは、やはり近未来に視界に入ってきた中谷潤人とのスーパーファイトです。

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 その試合を睨み、井上のベガス再上陸戦ではぜひとも同じ興行のセミファイナルに中谷の試合も組み入れてほしいもの。そのような配慮によって、2026年に実現が望まれる井上対中谷戦への期待感は高まるはずです。しばらく努力を続ければ、日本人最高峰の対決は世界的にさらに大きなイベントになるに違いないのです。

第1回から続く〉

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「あれ、いつもと違う…」英国人記者が驚いた井上尚弥“衝撃KO”までの静けさ「緊張感を欠き、完璧ではなかった」識者が指摘する“最強ゆえの難しさ”とは?

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