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「腫れた目と傷…井上尚弥の破壊力」韓国人キム・イェジュンの挑戦はやっぱり無謀だったのか? 英国人記者が辛口評価も「もう誰も恐れる必要ない」
posted2025/01/26 11:31
text by
杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph by
Takuya Sugiyama
1月24日に有明アリーナで行われた井上尚弥(大橋)対キム・イェジュン(韓国)戦では井上が圧倒的な強さをみせ、4回KO勝ちで戦績を29戦全勝(26KO)に延ばした。
韓国人ボクサーとしては実に18年ぶりの世界挑戦となったキムの夢は霧散したが、それでも最強王者への代役挑戦には大きな意味があったと言えるのか。そして、2025年の初戦を難なく勝利で飾った“モンスター”は今後、誰と戦うことになるのか。
井上対キム戦後、リングマガジンの編集人を務める英国人ライター、トム・グレイ氏に意見を求めた。グレイ氏は軽量級、アジアのボクシングにも精通。かつて日本に足を運んで井上との対面取材を敢行したこともあり、その言葉には常に説得力がある。【NumberWebレポート全2回の2回目】
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(以下、グレイ氏の一人語り)
「10段階くらいレベルが違った」
試合前、私はキムが井上を相手に何らかの成功を手にするとはまったく考えていませんでした。唯一、不確かだったのは彼がどちらのスタンスで戦うかという部分。キムはスイッチヒッターであり、“パッキャウェザー”という左右両方の伝説的なボクサー(マニー・パッキャオとフロイド・メイウェザー)の名前を頂戴したニックネームはそこから付けられたのかもしれません。今戦のキムは結局、サウスポーで戦いましたが、もちろんパッキャオのレベルではありませんでした。
4ラウンドまではまずまずの戦いをしたとは思いますが、最終的には井上の強烈な連打を浴びてストップされました。やはりレベルが違いました。1段や2段ではなく、井上は10段くらい上のレベルにいたという結論になるのでしょう。