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<待望のボクシング界ホープ> 井岡一翔 「世界王者がスタートライン」 

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渋谷淳

渋谷淳Jun Shibuya

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photograph byTakuya Ishikawa

posted2011/02/08 06:00

<待望のボクシング界ホープ> 井岡一翔 「世界王者がスタートライン」<Number Web> photograph by Takuya Ishikawa

アマチュアでの目標を失い、大学を中退してプロへ。

 中学を卒業したとき、高校へは進学せずにプロ入りするつもりだった。ただ、早生まれの一翔はプロデビューが最短でも高校2年生の終わりになる。アマチュアの経験はプロでも生きるという周囲の説得に従った。高校卒業後も即プロデビューを考えたが、アマチュアのトップ選手として北京オリンピック出場が視野に入ったため、ボクシングの名門、東農大に進学した。

「オリンピックでメダル取ってからプロ入りすれば、たくさん注目を浴びることができると考えました。結果的にオリンピックには出場できませんでしたけど、世界チャンピオンになって、あの敗戦がいい経験だったと言えるようにしたいと思っています」

 アマチュアでの目標を失った一翔は大学を2年生で中退してプロ入りを決意した。アマの通算戦績は95勝10敗。周囲の読み通り、アマチュアのキャリアはプロに入ってからも大きく役立っている。

2月11日、世界タイトルに挑む一翔の夢。

 日本ボクシング界にはいま、6人の世界王者がいることをご存じだろうか。一翔の夢は、それらのチャンピオンの中でも特別な存在になることである。

「とにかく世界チャンピオンにならないと始まらない。そこがスタートラインやと思ってます。複数階級制覇もしたいし、強い選手といい試合をして、井岡というボクサーのことをみんなに知ってもらいたい。ボクシングというスポーツをたくさんの人に見てもらいたい。あとは華やかに。そこがプロのいいところだし。なれるか分からないですけど、そこを目指していきたいと思っています」

 最初の難関は2月11日のタイトルマッチ。正真正銘のホープが自らの拳でスターへの扉をこじ開けようとしている。

井岡 一翔(いおか かずと)

1989年3月24日、大阪府生まれ。中学からボクシングを始め、興國高校では2年、3年と選抜、インターハイ、国体で優勝し(ライトフライ級)、史上3人目の高校6冠を達成。東京農業大学を中退し'09年4月、プロデビュー戦を白星で飾る。昨年10月、日本ライトフライ級王座決定戦をTKO勝利。165cm

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