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「新しいマリーゴールドを見てほしい!」旗揚げから8カ月、林下詩美が“ついに戴冠”「客が入らず“耐える時”もあったが…」ロッシー小川の手ごたえ
posted2025/01/12 17:20
text by
原悦生Essei Hara
photograph by
Essei Hara
林下詩美は1月3日、大田区総合体育館でSareeeを倒して念願のマリーゴールドのワールド王座を手にした。旗揚げから8カ月目、『DREAM STAR GP』を制してから4カ月目。ちょっと時間がかかってしまった印象はあるが、うれしい戴冠だった。
“マリーゴールドを選んだ”林下詩美の目覚め
「最高で最強のチャンピオンへの挑戦だったと思います。そんなSareeeからベルトを取れたことがとてもうれしいです。年末から1.3までバタバタしていて、気持ち的にも忙しかった時間でした。1.3のタイトルマッチで勝ってベルトを手に取って、やっと気持ちが落ち着いて、同時に『やっと年明けたなあ』という気持ちになれました。2025年はチャンピオンとして最高の年にします。家族と会った時にベルトを持っていって、姉妹や兄弟、お父さんに祝ってもらいました。甥っ子たちはベルトを持って嬉しそうでした!」
林下はほっとしたように言った。
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「もともと団体を引っ張っていくという責任感を感じていましたが、ベルトを手にしてから余計に強く思いましたね。改めて私がトップだ、頑張らないとなあ、って」
エースになるべくマリーゴールドを自ら選択したのに、最初はジュリアに、その後はSareeeに話題を持っていかれてしまっていた。それくらいSareeeに勢いがあったのも事実だ。
この日の対戦が決まると「毎日、眠たくなるような試合をして」とSareeeは林下に言い放った。やさしい性格の林下はそれでもエンジンがかかるのに時間が必要だった。以前にも触れたが、Sareeeと林下は真逆だと双方が感じていた。だが、ぶつかり合いになれば、どちらも譲れない部分がある。
興行戦争という古き良き時代の記憶をたどるように、早くから年末の両国国技館を用意することもロッシー小川は考えていた。だが、会場の手配がつかず年が変わってからの大田区総合体育館になってしまった。両国だったら1日か2日違いでスターダムとの興行合戦が繰り広げられたのだろうが、1月3日は東京ガーデンシアター(スターダム)、大田区総合体育館(マリーゴールド)と共に規模が小さく、話題の対象としてはトーンダウンした。
筆者はマリーゴールドが終わってからスターダムが行われていた有明の東京ガーデンシアターに電車で行ってみたが、もうメインイベントも終盤に差しかかっていた。