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女子プロレス“壮絶すぎる大流血戦”の内幕…『極悪女王』ダンプ松本に“指名”された刀羅ナツコの主張「血の雨を降らせるだけが自分のプロレスじゃない」

posted2025/01/08 17:19

 
女子プロレス“壮絶すぎる大流血戦”の内幕…『極悪女王』ダンプ松本に“指名”された刀羅ナツコの主張「血の雨を降らせるだけが自分のプロレスじゃない」<Number Web> photograph by Essei Hara

混沌のリングで舞華をフォールする刀羅ナツコ。2024年12月29日、両国国技館

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原悦生

原悦生Essei Hara

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Essei Hara

 12月29日に両国国技館で行われた刀羅ナツコと舞華の「ノーDQマッチ」(反則負けがない試合)は凄惨な大流血戦になった。有刺鉄線を体に巻き付けて入場した刀羅は有刺鉄線バットと一斗缶を手にしていた。舞華は切ったビール缶を張り付けたボードを携えていた。

「血の雨を降らせるだけが自分のプロレスじゃない」

 場外戦でおびただしい量の鮮血が舞華の頭から流れた。「こんなに出て大丈夫か」と心配になるくらい、国技館の床やイスに血が垂れていた。刀羅は舞華の頭にフォークを突き刺した。両国地獄絵巻。イス、テーブル、チェーン、ラダー……リング上はカオスだった。刀羅は舞華をKOした。

 試合後、壮絶な流血戦の反響にスターダムの岡田太郎社長は「しばらくやらないというか、アクシデントもあって行きつくところまで行ってしまった絵になったなあと感じている。2人だからこのルールを許したので、『ああ、いいです。盛り上がりましたね、じゃあやりましょう』ということにはならない。怖いですが、範囲を超えない中での死闘を見せてくれた」とコメントした。

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 新年になってから、刀羅に話を聞いた。

「あの試合が終わった後、記事を見たのか、たまたまSNSで流れてきたのを見た人なのか、『他団体のだれだれとやれよ』とかいう声を目にした。たとえばウチの団体だったとしても、『なぜ鈴季すずじゃないんだ』とかいう声もあったけどな。私は舞華だから自分の命を削ってでもぶちのめそうと思って、ああいう試合をやった。誰とでも簡単にやるわけじゃない。自分にとってまたそういう相手が現われたら、何回でもやってやろうと思う。それが全然違うヤツなのか、また舞華なのか、それは今はまだわからない。血の雨を降らせることだけが自分のプロレスじゃないと思っている。私をそこまでヒートアップさせられるヤツに2025年に出逢えるかどうか、それで決まる」

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