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女子プロレス“壮絶すぎる大流血戦”の内幕…『極悪女王』ダンプ松本に“指名”された刀羅ナツコの主張「血の雨を降らせるだけが自分のプロレスじゃない」
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2025/01/08 17:19
混沌のリングで舞華をフォールする刀羅ナツコ。2024年12月29日、両国国技館
『極悪女王』ダンプ松本の指名に“恩返し”を
刀羅は昨年10月、後楽園ホールのリングで『極悪女王』ダンプ松本に「ナツコを応援してんだよ。ナツコが有名人になるまでずっと応援する」と名指しされた。
「やっぱり、メディアの仕事もそうだし、プロレスでも自分がなにか記事になったり、話題になったりするたびに、ダンプさんの名前がついてくる。自分のことは知らなくてもダンプ松本という名前はたくさんの人が知っているから、多くの人に自分を知ってもらえるきっかけになったんじゃないかなと思う」
ただ、と刀羅は続ける。
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「もちろんダンプさんには憧れているし、一時代を作った尊敬する大先輩です。自分が超えなきゃいけないレスラーの一人という大前提があった上で、似ているレスラーとしてではなく、“刀羅ナツコ”というレスラーをより多くの人に知ってもらいたい。いい意味でも悪い意味でもいつまでもひとまとまりにされてしまうと、自分が消えてしまうから。ここから先は、ここまでやっていただいた恩返しのためにも、刀羅ナツコというレスラーをどう進化させていくのかが自分にとっての大きな課題だと思う」
刀羅が率いるH.A.T.E.というユニットは大江戸隊というヒールユニットから再編成され、昨年7月に誕生したものだ。誰がチャンピオンでも、ボスが刀羅であることには変わりはない。
「H.A.T.E.はできて半年しか経っていない。去年はどんな試合でもどんな大会でも、相手がだれであれ対 H.A.T.E.というのが多かった。それは自分たちが積極的に仕掛けていったからだ。スターダムをぐちゃぐちゃにしてやるという気持ちがあった。その集大成が上谷(沙弥)の赤ベルト。レスラーはどんな手を使ってでも勝たないといけない」