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バスケットボールPRESSBACK NUMBER
「中学生の頃からアメリカに行きたくて…」バスケ名門校を中退した逸材、身長が210cmに伸びたビッグマン…NBA入りを目指す新星たちの“シビア”な現在地
text by
杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph byAFLO SPORT
posted2025/01/08 11:01
NCAAディビジョン1に所属するチームでプレーする川島悠翔(19歳)と山ノ内勇登ウィリアムズ(21歳)
小さい頃から“最強”といった言葉に惹かれたという川島が、アメリカを目指したいと思ったのは中学生の頃。自身の想いに忠実に従い、豪州、アメリカと歩んできた。
「バスケをやるからにはトップのNBAに行きたいっていう気持ちがあり、そのためには絶対に海外に行くべきだなと。(日本での学生時代には)まだ河村勇輝さんみたいにBリーグからNBAへという事例はなかったですし、渡邊雄太さんや八村塁さんが(カレッジから)NBAに入ってという時期でした。海外でプレーした方がその夢に近づくという考えが自分の中であったんです」
サイズ、スキルを備えたスラッシャータイプのフォワードはアメリカの基準でも貴重な存在だ。最大の武器と自認するドライブ、向上中のシュート力を糧に、スコアラー&ゲームメイカーとしての伸びしろはたっぷり。「技術の詰まったプレーをするルカ・ドンチッチが好きです」という若者が順調に育てば、NBAへの夢はもちろん、さらなる飛躍を目指す日本代表にとっても重要な人材になることだろう。
「ホーバスHCから“歳は関係ない”って」
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2024年2月、アジアカップ予選で18歳にして衝撃的なデビューを果たし、すでに日本代表としても名前を売っている。そこでの期待度の高さは、トム・ホーバスHCからかけられたというこんな言葉からも明らかだ。
「日本代表入りした際、ホーバスHCから『歳は関係ない』って言われたのをすごく覚えています。若いからとかは関係なく、コート上に立ったらみんなチームメイトでありライバル。自分をどんどん出していくのが大事ということですね」
パリ五輪行きこそ叶わなかったが、仲の良いジェイコブス晶(ハワイ大/20歳/206cm)からパリの思い出話を聞いてまた決意を新たにしている。
「晶とはアンダー世代からずっとやってきて、NBAグローバルアカデミー経験があるのも一緒。五輪でも一歩先に試合に出ているのを見て、自分も頑張らないとと思いました。日本代表でもこれから一緒にプレーしたいっていうのはよく話しますよ。五輪には出たいですね」
ジェイコブスだけではなく、テーブス流河、山ノ内勇登とも交流があるという“次世代のエース候補”。今季、レッドシャツで過ごす1年も長い目で見れば川島の良い経験になる。常に最強に憧れ、漫画『スラムダンク』でも「沢北、仙道が好きだった」という若武者がアメリカに戦場を移しても、頭にあるのはベストプレーヤーへの道筋だけだ。