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野球のぼせもんBACK NUMBER
ソフトバンク戦力外→きくらげ農家に“ビックリ転身”「福岡の給食に採用」…千賀滉大・柳田悠岐ら“同期会ウラ話”「ギータさんが名前入りTシャツを」
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byJIJI PRESS
posted2024/12/30 11:03
2年前の2022年から個人で野球塾を開講した。さらに、次女が野球を始めたことで全く予期していなかったオファーを受けることになった。次女のチームが所属する連盟のアドバイザーが、社会人野球・KMGホールディングスの監督を務める加藤伸一だった。加藤はプロ野球で通算92勝を挙げた名投手で、じつは中原が現役当時にソフトバンクで二軍投手コーチを務めており同時期に同じユニフォームに袖を通していたのだ。その加藤から誘われる形で、今年からKMGホールディングスの野手コーチを務めている。すると就任1年目でチームは都市対抗に出場。チーム7年ぶりの快挙の一員となり、東京ドームのベンチに入った。また、同チームからはこの秋のドラフトで木下里都投手が阪神にドラフト3位で指名されてプロ入りを果たしている。
「何しとん?」柳田悠岐の素顔
自身はプロ野球選手を引退してちょうど10年が過ぎた。
人生は年を重ねて歩みを進めるほど、日々の生活に追われ、夢など小さくなっていくものかもしれない。だが中原は「今の方が夢は多いですね」とはっきり口にする。きくらげ栽培の事業拡大、野球塾の子供たちの成長、そして社会人野球チームへの貢献や強化への思いを次々語る。それでもやはり次女の野球が見られる週末が、現在の一番の楽しみだという。
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2011年ソフトバンク入団組、いわゆる育成黄金世代。一軍でも二軍でもなく、三軍でもがき続けた中原は、かつて千賀滉大(メッツ)や甲斐拓也(巨人)の飛躍に引け目を感じていた。嫉妬心もあった。
「SNSではみんなと繋がっていますけど、会う機会はほとんどないです。あ、でもホークスをクビになった数日後に嫁と天神に出かけたらギータ(柳田)さんと偶然会って。そしたら『大樹、何しとん? 今から飲みに行こうや』って誘ってくれたんですけど、まだ真っ昼間だし、嫁さんも一緒にいたんですよ(笑)。プロ1年目で最初に会った時からそんなノリで、すごくテキトーなんですけどめちゃくちゃいい先輩で大好きでした」
その数日後には3学年先輩の中村晃がお疲れ様会を開いてくれた。途中から柳田も合流した。