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「大谷翔平から怒りや悲しみが」水原一平事件への対応、真美子夫人とデコピンは「いてくれて良かったな」…番記者が見た“取材中の口調と表情”

posted2024/12/29 11:04

 
「大谷翔平から怒りや悲しみが」水原一平事件への対応、真美子夫人とデコピンは「いてくれて良かったな」…番記者が見た“取材中の口調と表情”<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

波乱万丈の2024年となった大谷翔平。長年にわたって取材する番記者が取材中に見た表情とは

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柳原直之(スポーツニッポン)

柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara

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Nanae Suzuki

ドジャースに移籍して起きた変化のひとつが、試合後に取材対応する機会が増えたことだ。語るべき時に語るべきことを、堂々と語った。密着歴11年目の番記者が、その言葉を紐解く。【全2回の1回目。初出:Number1105号『[珠玉のコメント30選]2024年の大谷語録』】

 ドジャースのデーブ・ロバーツ監督をはじめ、コーチ、選手の多くが、大谷翔平の優れている点を「Consistency(一貫性)」と表現する。

 シーズン中の大谷は、疲労回復、コンディション維持の観点からギリギリまで自宅やチーム宿舎での時間を睡眠に充て、球場入り後は相手投手のデータ分析、室内打撃練習に没頭。好不調に関わらず、その姿は変わらない。淡々とやるべき準備に全力を注ぐ姿は、まさに一貫性があると言える。

ショッキングな事件に感情を…今までにない姿

 2024年2月9日。アリゾナ州グレンデールで迎えたドジャースのバッテリー組とリハビリ組のキャンプ初日。胸に「Los Angeles」とプリントされた薄手の青いパーカー姿の大谷が、一番最初に受けた質問は「今回のキャンプはどこにフォーカスするのか」という質問だった。

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「新しいチームなので、本当に1年目のつもりで。まずは環境に慣れること、チームメートに慣れることが最優先だと思う」

 昨年9月に受けた自身2度目の右肘手術の影響で打者に専念するメジャー7年目。打撃でも、走塁でもなく、大谷はドジャースという新しい環境に慣れることを最優先事項とした。

 そして開幕から怒濤の日々が始まった。3月14日にアリゾナから韓国・ソウルへ飛び、20日の開幕戦を戦うと、その夜に通訳だった水原一平氏の違法賭博関与と、大谷の口座から不正送金した銀行詐欺が発覚。翌21日の第2戦に大谷は通常通り出場するも、試合後のクラブハウスで取材対応はなし。衝撃的なコンビ解消だった。

 事件後、大谷が最初に口を開いたのは、3月25日のエンゼルスとのオープン戦前の記者会見だ。

「正直、ショックという言葉が正しいと思わないですし、それ以上の言葉では表せないような感覚でこの1週間ぐらいはずっと過ごしてきたので、今はそれを言葉にするのは難しいなと思っています」

 ドジャースタジアムの地下1階の記者会見場。大谷は机にメモを置いたが、真っすぐ前を見つめ、自分の言葉で話していた。普段は滅多にメディアに対して感情を見せないが、この時ばかりは口調や表情から怒り、悲しみ、やるせなさ、いろいろな感情が読み取れた。こんな大谷は見たことがなかった。

大谷が“本塁打を打ちたい”と明確に言った日

 結婚か、愛犬か、この事件の影響かは定かではないが、大谷の言葉に変化が見られるようになったのはこの頃だ。

【次ページ】 「夫人とデコピンがいますが?」「いてくれて良かったな」

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