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「最も過小評価されているドライバー」に選ばれた角田裕毅のRB残留は是か否か? 来季のレッドブル移籍を妨げた「確証バイアス」の存在
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph byGetty Images / Red Bull Content Pool
posted2024/12/27 11:03
明暗分かれた角田とローソン。レッドブルの判断は数年後のふたりの未来にどう影響するだろうか
24年シーズンの最終戦アブダビGPが終了した2日後の12月10日、同じアブダビで行われた合同テストでレッドブルはフェルスタッペンのマシンに角田を乗せてテストを行った。だが、レッドブルの首脳陣の意思決定のプロセスが覆ることはなかった。12月18日にレッドブルはペレスの契約解除を発表。その翌日、ローソンをRBからレッドブルに昇格させると発表した。
25年に角田の走りをレッドブルで見たかったと思う者たちにとって、今回の決定は残念なことだ。だが、まだ角田の戦いは終わっていない。
レッドブルは過去に2度、期待外れに終わったドライバーをシーズン中に交代させている。まだ一度もフル参戦を経験したことがないローソンが同じ目に遭わないとも限らない。
2026年シーズンの可能性
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26年にはレギュレーションが大きく変更され、勢力図が一変する可能性もある。その26年には角田を育てたホンダがレッドブルとの関係にピリオドを打ち、新たにアストンマーティンへパワーユニットを供給する形で正式にF1に復帰する。レッドブル昇格だけが目指すべき道ではない。
いまのところ26年までアストンマーティンのシートに空きはないため、角田とレッドブル・ファミリーの契約が25年限りで終了すれば、26年に角田がF1でレースするチャンスは限りなく低くなることは確かだ。とはいえ、現在24歳の角田がF1を引退するのは早すぎる。
『The Race』では24年にいくつかの読者投票を行った。回答が世界100カ国以上から寄せられたアンケートのひとつに、「最も過小評価されているF1ドライバーはだれか?」という項目があった。1位に選ばれたのは角田だった。
正当な評価を行うチームで、その才能を開花させる日が来ると信じたい。