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「パ、パリ五輪…大丈夫なのか」サッカー取材記者が運営に呆れたウラ話「あら、試合あるの?」フランス人女性の認知度も“その程度”だった
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph byTakuya Nakachi/JMPA
posted2024/12/23 11:04
男子サッカー、日本代表が5−0の快勝を飾ったパラグアイ戦。しかし取材ブースは、キックオフ直前までドタバタだったそうだ
当時、大きなニュースにもなったが、マイクロソフトのクラウドサービスが何らかの理由でシステム障害を起こし、多くの航空会社で予約システムがダウンするなど大混乱をきたしたのだ。この件が最初に報じられたのは18日で、我々取材陣がマルモールを離れ、マルセイユ空港からフライトでのボルドー入りを予定していた19日の前日だった。結論から言えば我々が使ったフライトは影響を受けなかったが、KLM(オランダ航空)などではフライト取りやめなどトラブルに発展していたため、通常よりもかなり早い時間に空港に向かったことを思い出す。
文字にしてみれば、ただそれだけのことではある。だが、仮にフライトがキャンセルになったらどこに宿を取るのがベストか、フライトは自分が取り直すのか、航空会社が手配するのか、いつの練習取材に間に合うのか、そして原稿はどうするのか……初戦直前ということで取材面で考えることが多いのに、それに加えてと思うとゾッとするばかりだった。
地元女性「あら、ここでも五輪やるのね?」
ボルドーには10日ほど滞在した。ボルドーは想像よりも多くの観光客が訪れており、街は五輪と関係なく夏のバカンスのために賑わっていた。ある日、非公開練習のために練習場となっていた小さなスタジアムの外で待機していた時のこと。ご近所に住んでいると思しき女性にフランス語で話しかけられた。
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「あなたたちどこからきたの? ここのスタジアムで何があるの? なんでこんなにたくさんの人がいるの??」
それに対して、トルシエ取材などでおなじみ田村修一氏がおしゃべりに応じた。
「五輪があって、日本代表はボルドーで試合をするんですよ。で、そのための練習をここでしているんです」
女性の返答は、意外なものだった。
「あら、ここでもオリンピックの試合があるのね? 近所に住んでいるけれど全然知らなかったわ。どこと試合するの? いつ? あらそう。がんばってねー」
驚くことにボルドーの人たちは、ここが会場になっていることを全く知らなかったのだ。