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モータースポーツPRESSBACK NUMBER
「私のファンの女の子がサーキットに来てくれることも」レースアンバサダー・央川かこの波乱万丈すぎる人生「実は今も“家出中”のままで(笑)」
posted2024/12/06 11:04
text by
渋谷淳Jun Shibuya
photograph by
Shiro Miyake
——前編では宝塚音楽学校を辞めて、沖縄でお父さんの経営する会社の秘書を務めるところまでをお伺いしました。いよいよここからレースアンバサダーへの話になります。
央川 はい、うちは過保護というのか、宝塚を辞めても親からいろいろと言われていたんです。私も親に甘えているんですけど、もう少し自分の思うようにしたい、と思って22歳で家出しました。しかも“家出なう”なんですよ。
——い、家出なう!?
央川 せっかく和解したんですけど、こっそりお金を貯めて、グーグルで「家出の仕方」を検索して(笑)。家出に必要なものがリストになっているんです。それで普通に「外出してきます」と言って会社を出て、そのまま東京に行きました。前日に持ち物はすべて準備しておいて。事前に内緒で東京に行って、住むところも用意していました。決してけんか別れとかではないんですけど。
家出からのレースアンバサダーのわけ
——ご実家のほうでは大騒ぎだったんじゃないですか?
央川 親戚とか周りのみんなは「ほっときな」と言ってくれたんじゃないかと思います。家出してから8年、親とは会ってないんですけど、仲のいい弟からの情報によると、私のSNSとかをチェックしてくれていて、応援してくれていると聞いています。
——親に電話くらいしてあげたらと思うんですけど……。
央川 そうなんですけど、レースアンバサダーの仕事って安定してないじゃないですか。親に連絡したら甘えちゃうと思うんです。仮に「もう、そんなに仕事しなくていいから、うちにいればいいから」とか言われてしまうと、今の仕事をがんばれないと思うので。
——覚悟を決めているということですか。それでようやくレースアンバサダーにたどりつくわけですね。
央川 東京に出てきて、ウェディングのモデルをやらないか、というDMをインスタでもらったんです。「ウェディングドレスを着るくらいならいいか」という感じで、そこの事務所に行ったら、「レースアンバサダーをやらないか」と言われて。最初は断ったんです。人前に出るの苦手ですから。事務所の社長さんは熱心にすすめてくれたんですけど。