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熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
ブラジル人記者の中国戦採点…最高は久保建英と小川航基の7.5「トミヤス、イトウが戻っても」“隠れた高評価”や唯一低調の5点、森保采配は?
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byVCG/AFLO
posted2024/11/21 17:04
インドネシア戦に続き中国戦でも殊勲の働きを見せた小川l航基。ブラジル人記者は久保建英とともに高い採点を記した
「まず右は、久保建英が7.5点、鎌田大地が6.5点。久保は日本の攻撃を牽引した。非凡な才能を存分に発揮し、2得点にからんだ。中国選手は全くなすすべがなく、見ているだけ。格の違いを見せつけた。マン・オブ・ザ・マッチ(MOM)に選びたい。森保監督がスペインリーグでの疲れを考慮してインドネシア戦は温存したわけだが、その起用法も功を奏した。鎌田も、精度の高いパスを繰り出してチャンスを演出した。
左では南野拓実が6.0点。中村と同様、目立った貢献ができなかった。彼はとても良いプレーをする時とそうじゃない時と、調子の波がある。前田大然はプレー時間が短かったので採点なし」
フルハシは…本人が一番悔しいだろうね
――最後に、CFは?
「小川航基が7.5点、古橋亨梧が6.0点。小川は圧巻の2得点で、MOMに近い出来だった。古橋は、本人が一番悔しいだろうね」
――11月の2連戦で最も力を発揮した選手は?
「上田綺世が故障で欠場して、先発出場のチャンスを手にした小川。これまで途中出場で結果を出してきたが、先発でも十分にプレーできることを証明した。インドネシア戦の日本の先制点は、記録上はオウンゴールだけど事実上は彼の得点。圧倒的な結果を出した。右サイドのWGやMFとして、菅原由勢と橋岡も大いにアピールした。森保監督は新戦力を手に入れたね」
――その一方で、期待外れだったのは誰でしょうか。
「大橋祐紀と古橋は上田の欠場で控えCFとして出場機会を与えられたが、共に生かせなかった。でも、2人とも才能があるのは間違いない。クラブでさらに成長して、次の機会で今度こそ力を発揮してもらいたい」
モリヤス采配は6.5。ターンオーバーも交代も適切
――森保一監督の采配・戦略は?
「6.5点。思い切ったターンオーバーが効果を発揮したし、選手交代も適切だった」
――日本が敵地で中国と対戦した試合の中で、最高のスコアが2004年アジアカップの3-1。この試合は、これに並びました。
「1998年大会以来、日本は7大会連続でW杯に出場しているが、楽に予選を勝ち抜いたことは一度もなかった。しかし今予選では、圧倒的な勝利を積み重ねている。これまでとは全く次元が異なる試合をしている」
監督が戦術をペラペラしゃべるようでは困る
――1~2月に行われたアジアカップで準々決勝敗退したこともあって、数カ月前まで森保監督には「戦術がなく、選手の個人能力に頼りきり」、「選手時代に欧州でのプレー経験がなく、指導者としても国際経験に乏しい」といった批判が渦巻いていました。
「彼は、自分が目指す戦術を懇切丁寧には説明しないからね。でも、監督が戦術をペラペラしゃべるようでは困る。彼のチームマネジメントのうまさは、歴代代表監督の中で突出している。2022年W杯でドイツ、スペインをいずれも逆転で倒すという快挙を成し遂げたのは決して偶然ではないし、選手のお陰だけでもない。そして、彼自身、指導者として修羅場を踏み、国際経験も積み重ね、急速に成長している」
――あまり根拠のない、さらには理不尽な批判まで受けても、決して腐らなかった。