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「オオタニは想像以上の選手だった」“ドジャースの象徴”カーショーが大谷翔平を認めるまで…あの歓喜の日、なぜ耳元で“感謝”を伝えたのか?
text by
阿部太郎Taro Abe
photograph byGetty Images
posted2024/11/14 17:02
シャンパンファイトで歓喜にひたるクレイトン・カーショーと大谷翔平
なぜ、カーショーは大谷に“感謝”したのか
ワールドシリーズ優勝の歓喜から2日後、カーショーはドジャー・スタジアムの祝賀イベントの壇上で涙ながらに語った。司会進行役となったロバーツ監督からマイクを渡されると、4万人超の前で感情が高ぶっていた。
「ずっとこの日を待ち望んできた。この仲間よりいいチームでやるなんてことは想像できない。言葉にならない。自分は何もできなかったけど、最高だ。ドジャースは自分の人生そのものだ」
ドジャーブルーのユニホームを着て17年。通算212勝、3度のサイ・ヤング賞と輝かしい実績を残す左腕だが、カーショーのプレーオフの歴史は「苦闘」だった。
自身12度のプレーオフ出場で、ワールドシリーズ制覇は2020年のコロナ禍での短縮シーズンの1度だけ。2018年のワールドシリーズは屈辱の2敗を喫し、2年連続でワールドシリーズの舞台で敗れた。昨年の地区シリーズでは1回持たずにまさかのKO。そのシリーズ後、引退も視野にあると語った。
ドジャースの誰よりもチームの勝利のために腕を振り続け、誰よりも頂点に立つ難しさを知っている。
だからこそ、今回、仲間が勝ち取った優勝は誇らしかった。だからこそ、大谷に感謝した。